ブラインドサッカー

ブラインドサッカーの概要

ブラインドサッカー（5人制サッカー）は、視覚に障害を持つ選手のために特別に開発されたサッカーの形式です。主に全盲またはほぼ全盲の選手が参加するこの競技は、国際視覚障害者スポーツ連盟（IBSA）によって管理されています。また、国際サッカー連盟（FIFA）のルールをもとに内容が改訂されています。

日本においては、日本ブラインドサッカー協会（JBFA）がこの競技の運営を行っており、パラリンピックの正式競技となっています。ブラインドサッカーという名称及び略称の「ブラサカ」は、JBFAによる登録商標です。

ルールとプレイ方法

チーム構成

1チームはゴールキーパー1人を含む5人の選手で構成されます。試合は前後半それぞれ20分の計40分間行われ、間には10分間のハーフタイムが設けられています。ゴールキーパーは視覚に障害のない選手が担当することが一般的です。また、フィールドプレイヤーは視覚障害の程度に応じて、以下の3つのクラスに分けられています。

• - B1: 全盲またはほぼ全盲で、光を全く感じないか、手の影を認識できない。
• - B2: 弱視で、手の影が認識可能で、視力が0.03未満または視野が5度未満。
• - B3: 弱視で、視力が0.03〜0.1または視野が5度〜20度。

このように、ブラインドサッカー（B1）とロービジョンフットサル（B2/B3）の2つの形式が存在します。

B1クラスのルール

B1クラスでは、フィールドプレイヤーはアイマスクを着用し、視覚を遮断してプレーします。ゴールキーパーは特定のエリア内でのみボールを扱うことができ、攻撃の状況をチームメイトに伝える役目も担います。チームにはコーラー（ガイド）が配置され、選手に対して方向や距離を指示します。ボールは音が鳴るように設計されており、選手が自分の位置を把握できるようになっています。

ロービジョンフットサルのルール

B2およびB3クラスではアイマスクを装着せず、通常のフットサルに近いルールでプレーします。このクラスの試合でも、常に2人以上のB2プレーヤーが必要とされます。

コミUNICATION

ディフェンス時には、「ボイ」（スペイン語で「私が行くぞ」）という掛け声が使用され、無用な接触を避けるための配慮がなされています。

観客の規則

試合中は、選手が聴覚に頼ってプレーしているため、観客が声を出すことは禁止されています。ただし、得点が決まった時には歓声を上げることが奨励されています。特にゴール後の大歓声は、ブラインドサッカーの特別な雰囲気を生み出します。

歴史

日本での視覚障害者のサッカーは1990年代に独自のルールで行われ始めました。2001年には、「視覚障害者の文化を育てる会」が中心となり、韓国の視覚障害者サッカーを視察し、国際ルールに基づいた競技の普及がスタートしました。2002年には国際試合が行われ、日本視覚障害者サッカー協会（JBFA）が設立されました。

その後、日本国内での選手権大会や国際大会が定期的に実施され、特に2014年のIBSAブラインドサッカー世界選手権は日本で初めて開催され、注目を集めました。また、2018年からはIBSA公認の国際大会が品川区で行われ、持続的に日本でのブラインドサッカーの発展が図られています。本競技は視覚障害者の可能性を広げる重要なイベントとして、さらなる展開が期待されています。

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