ブラックサレナ

ブラックサレナ（BLACK SELENA）

ブラックサレナは、アニメーション映画『機動戦艦ナデシコ -The prince of darkness-』に登場する架空の兵器です。この機体は、デザイナーの明貴美加によってデザインされました。

機体の解説

劇中に登場する際、ブラックサレナは一見異形の機体として扱われますが、その正体はアキト用のカスタムエステバリスです。この機体は全高約6mのエステバリスに装甲と高機動ブースターを追加し、最終的には全高8mのテンカワ・アキト専用機となります。名前の由来である「黒百合」は、花言葉に「恋」と「呪い」を持ち、機体の独特なデザインと機能を象徴しています。

この機体は、単独での秘密工作オペレーションを念頭に作られたため、戦闘能力は従来のエステバリスとは大きく異なります。重装甲を施し、脚部はスラスターユニットに改造、さらに各部には姿勢用制御ノズルを多数取り付けることで、アクロバティックな運動性と高推力を実現しました。このため、武装は両腕に装備したハンドカノンのみというシンプルなもので、機体の頑丈さと機動性を最大限に引き出しています。その他にも、尻尾のようなテールバインダーにはマジックハンドが内蔵されており、アンカークローとして機能します。

機体の変遷

ネルガルは、エステバリスがA級ジャンパーを必要とせずにボソンジャンプを行える機体の開発を目指しました。そのために、フレームを巨大な蓄電池として設計し、質量とバランスを保ちながらエネルギーの大容量使用を可能にしました。このフレームは、チューリップクリスタル（CC）に近い材質であるとされ、A級ジャンパーを必須としないボソンジャンプが可能であることが実証されました。

もともとのアキト用エステバリスカスタムは、蜥蜴戦争時代の量産型エステバリスを改良したものであり，この時点では特別高性能とは言えませんでした。しかしその後、様々な改造が施され、エステバリスの概念を超えた武器へと進化を遂げます。アキトは、潜伏していた草壁一派への対抗のため、この改造されたブラックサレナを駆り立てます。

この機体は、数々の戦闘を経る中でその姿を変え、最終的に全身に装甲を増設し、耐弾性を向上。装甲の増加によって機動性が低下しましたが、各部にスラスターを追加し、重力波放射器と組み合わせることで、優れた運動性を保ちました。

バリエーション

ブラックサレナは、戦闘時に破損するたびに改造が施され、いくつかのバリエーションが存在します。

• - ブラックサレナS型（ストライカータイプ）: 大型ミサイルやカノン砲を装備し火力を強化。特に拠点攻撃に向いている。
• - ブラックサレナA型（アーマードタイプ）: 増加装甲により機体剛性を強化。武装は小型ビームガン×2。
• - ブラックサレナA2型（アーマード2タイプ）: A型の強化型で、高機動ユニットを装備してさらなる機動性を追求。

劇中での活躍

ブラックサレナは、物語の冒頭でターミナルコロニー「シラヒメ」にて敵部隊を全滅させるなど、その存在感を放ちます。また、ターミナルコロニー「アマテラス」への侵入にも成功し、ボソンジャンプを駆使し、戦局を有利に進める役割を果たしました。

最終的には、北辰七人衆との1対7の戦闘が繰り広げられ、ヒロインたちの協力によって夜天光が倒されるという展開を迎えます。この戦いにおいてブラックサレナは、厚い装甲を持ちながらもアキトの真の力が試される瞬間でもあったのです。

その後、ブラックサレナは一連の戦闘によって姿を大きく変え、武装や装甲の改造が進みました。結果として、この機体は「幽霊ロボット」として多くの議論を呼ぶことになります。彼女の伝説は戦闘の随所で語り継がれ、多くのファンに愛されています。

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