プロデューサーズ

プロデューサーズ（The Producers）

『プロデューサーズ』は、1968年に公開されたメル・ブルックス監督・脚本によるアメリカのミュージカル・コメディ映画です。主演にはゼロ・モステルとジーン・ワイルダーが起用され、映画はアカデミー脚本賞を受賞しました。公開当時、この作品はその内容から多くの映画館で上映されることが難しかったものの、2002年には限定で再上映され、日本では2000年12月に劇場公開されることとなりました。

あらすじ

主要キャラクターであるマックス・ビアリストックは、かつてはブロードウェイの成功を手に入れたプロデューサーでしたが、現在は落ち目を迎えています。彼は裕福な老婦人たちの気を引くことで生計を立てています。ある日、彼の元にレオ・ブルームという内気な会計士が現れ、彼の話からひとつの大胆なアイデアを思いつきます。レオは、ミュージカルを成功させるよりも意図的に失敗させることで、より多くの利益を得られるということに気づくのです。

マックスはこのアイデアに乗り気になり、レオを待望のパートナーとし、最悪のミュージカルを制作することに決定します。まず、彼らが着目したのはナチシンパのドイツ人、フランツ・リープキンが書いた『ヒトラーの春』という脚本です。この作品はハルシネーションを誘発するほどの馬鹿げた内容で、マックスとレオはこの脚本を取り入れることにします。

上演のため資金を集めるために、マックスは高額配当を約束し、老婦人たちから出資金を騙し取ります。続いて選んだのは、奇抜な演出家ロジャー・デ・ブリーで、彼の独特な演出スタイルがさらなる混乱を引き起こします。そして、主役のヒトラー役には、別のオーディション会場にやってきたヒッピー風の男ロレンツォ・サン・デュボワが選ばれます。

「これなら失敗するに決まっている！」と期待に胸を膨らませる二人ですが、初日を迎えると彼らの予想とは全く逆の反応が客席から返ってきます。観客は初めこそ内容に腹を立てたものの、LSDと名付けられたロレンツォによるヒトラーの演技に意表を突かれ、爆笑の渦に巻き込まれてしまいます。結果、彼らの意図とは裏腹にミュージカルは大ヒットとなり、マックスとレオは窮地に立たされます。この果てしない状況の中で、彼らは劇場を爆破するという決断を下すことになります。

キャストとスタッフ

この作品に出演するキャストには、ゼロ・モステル（吹替 : 富田耕生）やジーン・ワイルダー（吹替 : 羽佐間道夫）が名を連ねています。また、監督のみならず脚本も担当しているメル・ブルックスの才能が光る作品です。

“プロデューサーズ”は映画史上、特異な位置を占める作品であり、コメディの中に考えさせられるテーマを含んでいます。ミュージカル化され、また映画リメイクも行われるなど、時代を超えて多くの人々に愛され続けています。

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