ベクターシグマ

ベクターシグマとは

ベクターシグマ（Vector Sigma）は、人気アニメ『トランスフォーマー』シリーズに登場する重要な存在で、セイバートロン星に位置する超コンピュータです。このコンピュータは、機械のロボットに生命を吹き込み、彼らを超ロボット生命体へと進化させる不思議な力を持っています。この生命の源は、初期の作品では「パーソナル・コンポーネント」として知られていましたが、後に「スパーク」と呼ばれるようになり、相応する霊的な存在として描かれました。

ベクターシグマは、黄金に輝く球体の姿を持ち、起動するには特別な「ベクターシグマの鍵」が必要です。この鍵は、有機物を無機物に変える能力を持っており、そのため悪用を防ぐための安全策がとられています。

G1におけるベクターシグマ

『トランスフォーマー』の初期シリーズであるG1では、ベクターシグマは第四部で登場し、重要な役割を果たします。「ベクターシグマの鍵」というエピソードでは、メガトロンが新たに編成した悪役軍団を超ロボット生命体に変えるために、鍵を狙いサイバトロンの長老アルファートリンからそれを奪います。これに対抗する形でサイバトロン側はエアーボット部隊を結成し、アルファートリンの意識がベクターシグマと同化する場面が描かれます。最終的に、オリジナルの「鍵」はサイバトロンのシルバーボルトによって破壊されました。

トランスフォーマー ザ・リバース

アメリカ版のG1アニメの最終作『トランスフォーマー ザ・リバース』でも、ベクターシグマは物語の背後に存在し、エネルギー庫をガルバトロンに開放する重要な役割を持っています。サイバトロン軍の総司令官・コンボイがベクターシグマにアクセスする際、空のマトリクスの殻を用いてその意思を伝えます。この際、アルファートリンがベクターシグマの意志を代表して登場します。

トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ

『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』では、宇宙の叡智の結晶マトリクスが空になったことによって、ベクターシグマが暴走する状況が描かれます。ガルバトロンがセイバートロン本星に侵入し、その破壊を試みる中で、コンボイは自らのエネルギーをベクターシグマに与え、永遠の眠りにつく運命に廃ることになります。この作品ではセイバートロン星自体が壊滅しますが、後続の作品であるトランスフォーマー G-2では、再びセイバートロン星が存在することが確認されます。

ビーストシリーズでの展開

ビーストウォーズネオでは、ベクターシグマがサイバトロン戦士たちに指示を与える存在として登場します。かつてとは異なり、彼の意向はサイバトロンに寄ったものであり、ユニクロンの襲来の際には新たなトランスフォーマーの誕生を説きますが、最終的にユニクロンに支配されてしまいます。その後、ビッグコンボイなどの奮闘により、身を守ることができました。

『ビーストウォーズリターンズ』では、オラクルという存在が登場し、ビーストコンボイに神託を与える役割を果たします。さらに、オラクルはベクターシグマにアクセスするためのインターフェイスポータルと繋がっており、物語を通じて鍵を再構築するエピソードが展開されます。

後続シリーズとその後の役割

その後の『マイクロン伝説』や『スーパーリンク』『ギャラクシーフォース』ではベクターシグマは登場せず、プライマスがその役割を引き継ぎます。実写映画版『トランスフォーマー』においては、オールスパークという別の存在が同様の機能を果たし、さまざまな物語展開を見せることがありました。また、スピンオフ作品『トランスフォーマーサイバーミッション』では、ベクターシグマはサイバトロン星のデータベースとしての役割が語られています。

『トランスフォーマープライム』では、オプティマスプライムがベクターシグマの鍵を秘密裏に保管し、人間のジャックに渡すエピソードも描かれています。ベクターシグマの存在は、トランスフォーマーシリーズ全体における生命や進化の象徴として、今なお重要な役割を担っています。

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