ベロクロン

ベロクロン：ウルトラシリーズの超獣の一つ

ベロクロンは、特撮テレビドラマ『ウルトラマンA』を含む「ウルトラシリーズ」に登場する架空の超獣の一種です。異次元人ヤプールによって製造され、サンゴと宇宙生物が合成されて生まれたこの超獣は、地球侵略のために送り込まれました。

外見と能力

ベロクロンの姿は、サンゴと宇宙怪獣を組み合わせた独特のデザインが施されています。手からは敵の動きを制御するリング状の金縛り光線やブーメラン状の光線、さらに口からは100万度の火炎を吐くという恐ろしい威力を持っています。全身にはミサイルの発射口が備わっており、口内には中型ミサイルを発射するカタパルトが搭載されています。また、唾液については強酸性で、建物を簡単に破壊する力があります。

直接的に致命的な攻撃を受けるわけではありませんが、口内を攻撃されると内部の高圧電気胃袋が反応し、自爆を引き起こすことがあるため注意が必要です。

初登場とその活躍

ベロクロンは『ウルトラマンA』の第1話「輝け！ウルトラ五兄弟」に初めてお目見えしました。この回では、広島県福山市を襲撃し、防衛軍の戦闘機を次々と撃墜する様子が描かれており、その後は東京に現れて東京タワーを破壊します。その際、北斗星司の特攻によって一時的にダメージを受けますが、再び立ち上がり対ウルトラマンA戦で奮闘します。しかし、最終的にはメタリウム光線によって倒されてしまいます。

設計と制作の背景

ベロクロンのデザインを手がけたのは井口昭彦であり、特に背中にサンゴ、前面に宇宙怪獣と想定される特徴が盛り込まれています。スーツアクターは河合徹が担当しましたが、撮影中にはスーツの改修が施されていて、初期のデザインから変化が生じています。

当初は広島市での登場が予定されていましたが、過去の原爆に対する配慮から福山市に変更されたという経緯があります。また、特撮班助監督の川北紘一が提案した演出によって、各部の込み入ったアップが多用されたのも特徴の一つです。

続編登場

ベロクロンはその後も様々な作品に再登場しており、初代ベロクロンの復讐を果たすベロクロン二世や、ウルトラマンタロウ、メビウスに登場する改良された個体など、その存在は一貫して続いています。

さらに、近年のシリーズでは異なる設定や形状の様々なバリエーションが登場し、新たな能力が加わることで進化を続けています。これらの再登場によって、ベロクロンは「ウルトラシリーズ」において欠かせないキャラクターとして宇宙の影で脅威を与え続けています。

文化的な影響

ベロクロンは特撮ファンだけでなく、幅広い世代にわたる支持を得ており、時にはコラボレーション企画やCMなどにも出演することがあるなど、その存在感は衰えることがありません。特に彼が主役として登場する作品では、彼の強力な武器や独特なデザインが視聴者を惹きつけ、ウルトラシリーズにおける重要なキャラクターとして名を馳せています。

このように、ベロクロンは単なる敵役に留まらず、特撮文化の一部として息づく魅力的な存在です。

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