マイクロプラスチック

マイクロプラスチックの現状と影響

マイクロプラスチックとは、直径5mm以下の小さなプラスチック粒子を指し、特に海洋環境における問題が深刻になっています。これらは元々、レジ袋や食品包装、ペットボトルの蓋などから生まれ、一度使用された後に廃棄されることが多いです。プラスチック製品の大部分は石油由来ですが、化学的な処理を経て製造されます。世界では年間約4億トンのプラスチックが生産され、そのうちの半分は容器や包装に利用されています。

日本においては、約300億枚のレジ袋が使用されており、それに加えてペットボトルやコンビニの食品パッケージなどが日々廃棄されています。これにより、家庭からは1日に数百グラムのプラスチックゴミが発生し、多くが的確に処理されることなく、最終的に海に流入しています。

マイクロプラスチックの発生源

マイクロプラスチックは大きく分けて、一次的および二次的なものに分類されます。一次的なものは、化粧品に含まれる微小なビーズなどが該当します。一方、二次的なものは、大きなプラスチックが劣化し、環境中で細かく分解されることで生じるものです。特に、UV光や波の力によって破砕されたパーツがその例です。また、洗濯時に衣類から脱落する合成繊維もマイクロプラスチックの原因です。

環境への影響

マイクロプラスチックはその小さなサイズで、海洋生物に摂取されやすく、さらに有害物質を吸着してしまうため、その健康への影響が懸念されています。特に、海の食物網の中でマイクロプラスチックを摂取した生物が、さらに上位の捕食者に移る可能性があり、そこで生物濃縮が進むことが考えられます。2020年に行われた際の調査では、日本の魚からもマイクロプラスチックが検出されています。

また、2022年にはスーパーマーケットの肉や乳製品からマイクロプラスチックが発見され、より多くの食物からこれが見つかる可能性も示唆されています。このように、私たちの生活圏にも深刻な影響が及んでいるのです。

取り組みと国際的な動き

マイクロプラスチック問題への対策は、国際的にも進められています。EUは、2030年までに再利用可能なプラスチック製品の使用を進める方針を打ち出し、また、G7環境相会合では海の生態系を守るための行動を確認しました。日本でも、環境省が主体となり、マイクロプラスチックの研究と対策の強化を進めています。

新型コロナウイルスの影響でプラスチックごみの増加が報告される中、持続可能な解決策が求められています。我々一人一人のプラスチック製品の使用や廃棄方法を見直し、未来の海洋環境を守る努力が重要です。

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