マシンロボ

マシンロボ：変形合体ロボット玩具の系譜

バンダイから発売されている人気玩具シリーズ「マシンロボ」は、自動車や動物、戦闘機といった様々なものが人型ロボットに変形するギミックが特徴です。トランスフォーマーシリーズと同様に、子供たちを魅了する変形合体ロボット玩具として、長きに渡り愛され続けています。本稿では、マシンロボの歴史と魅力を、各シリーズの特徴を交えながら詳しく解説します。

昭和期：黎明と隆盛

昭和第1期 (1982年-1985年)

1982年、600円という低価格ながら、ダイキャストやメッキ、クリアパーツ、ゴムタイヤを贅沢に使用した「マシンロボ600シリーズ」が発売され、瞬く間に人気商品となりました。基地アイテムや大型ロボなど、シリーズを拡張する連動玩具も多数展開されました。1983年には、トンカ社を通じて「GOBOTS」としてヨーロッパ圏へ輸出され、アニメ化も相まって大ヒットを記録しました。日本でも、プロモーションアニメが制作され、徳間書店の『テレビランド』ではオリジナルストーリーが連載されるなど、メディアミックス展開も積極的に行われました。一部プラモデルキットは、今井科学の『機甲創世記モスピーダ』のメカを原型として使用していました。

昭和第2期 (1986年-1988年)

1986年、葦プロダクション制作による初のテレビアニメシリーズ『マシンロボ クロノスの大逆襲』が放送開始。大型アイテム「MRC DXパイルフォーメイションセット バイカンフー」などが人気を集めました。600シリーズも販売継続されましたが、商品間の連動性は薄れました。興味深いことに、一部商品は『太陽戦隊サンバルカン』や『超新星フラッシュマン』に登場するメカをベースにデザイン変更されたものでした。1987年には『マシンロボ ぶっちぎりバトルハッカーズ』が放送されました。アニメシリーズの人気を受け、OVA『レイナ剣狼伝説』シリーズも制作されました。1988年にはミニカーサイズの瞬間変形玩具『ウイナーロボ』が登場し、昭和期の展開は幕を閉じました。

平成期：変貌と進化

平成第1期 (1992年-2001年)

1992年、「CGロボ」シリーズが登場しました。マシンロボの名は冠されていませんでしたが、600シリーズを継承したデザインに発光・サウンドギミックを追加した実質的なリメイクと言えるでしょう。ブームには至りませんでしたが、ヨーロッパでは「ROBO MACHINES」として販売されました。2001年には、カプセルトイ『マシンロボGP』が発売されました。

平成第2期 (2002年-2019年)

2002年、「レスキュー合体シリーズ」が発売され、共通ジョイントを用いた拡張性の高い合体ギミックが特徴でした。2003年には、約15年ぶりのテレビアニメシリーズ『出撃!マシンロボレスキュー』が放送開始。サンライズ制作で、1980年代のマシンロボアニメを彷彿とさせる要素も含まれていました。「ムゲンバイン」シリーズへと展開が拡大し、食玩版も登場するなど、多様な展開を見せました。2008年には「マシンロボ」の表記がパッケージから消えましたが、2012年には「マシンロボNEXT」として復活、2019年には「ミニプラ マシンロボデュエル」が発売されるなど、断続的にシリーズは展開されました。

令和期：新たな展開

令和期 (2022年～)

2022年、発売40周年を記念して、身の回りの物が変形・合体する新シリーズ「ユニトロボーン」が発表されました。マシンロボの系譜を受け継ぎつつ、新たな挑戦が続けられています。

海外展開：GOBOTS

1983年、アメリカではトンカ社が「マシンロボ」を「GOBOTS」として輸入。正義のガーディアンと悪のレネゲイズという独自の陣営設定や、キャラクター名、世界観が追加されました。ハンナ・バーベラ制作によるアニメや映画も制作され、アメリカでの知名度は現在も高いです。近年でも、トランスフォーマーシリーズのデザインやキャラクター設定にGOBOTSの影響が見られることがあります。

まとめ

マシンロボは、長年に渡り、玩具、アニメ、メディアミックスなど様々な形で展開されてきた人気シリーズです。時代に合わせて進化しながらも、変形合体ロボットという根幹の魅力は変わらず、多くのファンを魅了し続けています。その歴史と多様な展開は、日本の玩具文化史においても重要な位置を占めるでしょう。

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