マットレス

マットレスとは

マットレスは、ベッドや敷布団の下に敷いて使用する寝具です。その語源はアラビア語の「横たわる場所」を意味する Matrah(مطرح)に由来します。マットレスは、睡眠の質を左右する重要な要素であり、快適な睡眠環境を整えるために欠かせないアイテムです。

マットレスの種類

マットレスは大きく分けて、ベッド用と布団用に分類されます。

ベッド用マットレス

ベッド用マットレスは、ベッドフレームの上に直接置いて使用します。寝心地を大きく左右するため、様々な種類が存在します。

スプリングマットレス:
硬鋼線を用いたバネ（コイルスプリング）を内蔵したマットレスです。バネの形状や構造により、ボンネルコイルやポケットコイルなどがあります。耐久性が高く、体圧分散性に優れているのが特徴です。

ウレタンマットレス:
ウレタンフォームを中材に使用したマットレスです。加工によって反発力を調整でき、高反発ウレタンや低反発ウレタンなどがあります。高反発は体をしっかり支え、低反発は体圧を分散させる効果があります。

パームマットレス:
ヤシの実の繊維を中材に使用したマットレスです。通気性が高く、2段ベッドや介護ベッドなどによく使われます。

ファイバーマットレス:
ポリエチレンやポリエステルのプラスチック繊維を中材に使用したマットレスです。通気性が高く、水洗いできるのが特徴です。

布団用マットレス

布団用マットレスは、床に直接敷き、その上に布団を重ねて使用します。敷布団の補助的な役割で使用されることが多く、ベッド用マットレスに比べて薄手のものが一般的です。

ウレタンマットレス:
ベッド用よりも薄く、三つ折りや二つ折りにできるものが多く、持ち運びや収納に便利です。

スプリングマットレス:
ベッド用よりも薄型ですが、布団用としてもスプリングマットレスも存在します。

エアーマットレス:
空気を入れて膨らませて使用するマットレスです。簡易的なマットレスとして使用されることが多く、電動ポンプ内蔵で空気の出し入れが容易なものも登場しています。ただし、素材がビニール製である場合が多く、耐久性に課題があることもあります。風呂マットとしても使用されることがあります。

マットレスの歴史

世界最古のマットレスは、南アフリカで発見された約7万7000年前のもので、アシやイグサを何層にも重ねて作られていました。20世紀に入ると、わらや綿を詰めたものから、羽毛や馬の毛など、さまざまな天然素材が使われるようになりました。北米でマットレスが一般的に販売されるようになると、スプリングと綿の中綿、繊維などの詰め物で構成されるものが主流となりました。

マットレスのサイズ

マットレスのサイズは、国や地域によって異なります。日本では以下のサイズが一般的に用いられます。JIS規格（JIS S 1102:2017）でサイズの名称が定められているわけではありません。

セミシングル: 約85cm × 195cm
シングル: 約97cm × 195cm
セミダブル: 約122cm × 195cm
ダブル: 約140cm × 195cm
ワイドダブル: 約152cm × 195cm
クイーン: 約170cm × 195cm
キング: 約200cm × 195cm

マットレスの処分

マットレスの処分方法は、素材やサイズによって異なります。スプリングやコイルを使用したマットレスは、自治体によっては粗大ごみとして扱われ、回収に費用がかかる場合があります。

その他

日本では、ウレタンフォームマットレスとスプリングマットレスは、家庭用品品質表示法の対象となっており、雑貨工業品品質表示規程に定められています。

関連事項

枕
掛け布団
ベッド

外部リンク

スプリングマットレス 消費者庁
ウレタンフォームマットレス 消費者庁
全日本ベッド工業会

もう一度検索