マルハラ

マルハラ：SNSにおける句点の威圧感

「マルハラ」という言葉は、主にSNSやチャットにおいて句点（。）を使用することで相手に威圧感を与える現象を指す造語です。この言葉は、マルハラスメントの略称として使われ、近年特に注目されています。

マルハラの発端

この現象が広く知られるようになったのは、2024年1月28日に放送されたAbemaTVの番組『ABEMA的ニュースショー』によるものです。番組内で、以前から存在していたが名前がなかったこの現象に対して、スタッフが「マルハラ」と命名しました。放送後、Abema側がこの内容を記事化し、各ニュースサイトに配信したことにより、一気に知名度が高まりました。その結果、多くのメディアがマルハラという言葉を使い始め、特集が増えるなど、大きな話題となりました。

句点と世代間の感覚の違い

現代において、特に若い世代はLINEやXなどのSNSで短いメッセージを送る際、句点を省略する傾向があります。そのため、文末に句点が付いたメッセージが送られてくると、「その人が怒っているのではないか」といった感覚を抱くことが多いとされています。この現象には、世代ごとの違いが見られます。若い世代は特にこの感覚を強く持ちやすいのですが、中高年層は句点などをあまり気にしないことが多く、彼らにとっては普通のコミュニケーションスタイルでも、若い世代には異質に映ることがあります。

一説によると、中高年層はメールなどで句点を多用し、そのままのスタイルでSNSを使用するため、若者にとっては威圧的に感じ、有効なコミュニケーションと認識されないとされています。筑波大学の岩崎拓也氏は、この現象について若い世代もSNS以外で句読点を使っていることに触れ、「マンガの吹き出しの文体には句点が少なく、SNSメッセージも同様の形式で表示されるため、句点のない方が馴染みやすいのではないか」と説明しています。また、彼はこの感覚は世代間のギャップに過ぎないと指摘しています。

若者批判とその背景

若い世代が句点に対してネガティブな印象を持つのは、同世代の中での傾向であるとも考えられています。このことは、若者世代に対する批判的な視点として捉えられることもあります。実際、英語圏では2020年に同様な現象に関する指摘が既に見られました。こうした背景から、マルハラは新たなコミュニケーションのスタイルとして、了解されつつある現象と言えるでしょう。

結論

「マルハラ」は、SNSコンテンツにおける新たなしぐさやルールを反映した現象であり、世代間での理解の齟齬が生まれる要因にもなります。今後、このコミュニケーションスタイルがどのように発展していくのか、引き続き注目が必要と言えるでしょう。

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