マンション管理士

マンション管理士（マンションかんりし）

マンション管理士は、マンション管理組合に対するコンサルタントとしての専門知識を持ち、その知識を国が認める国家資格です。この資格は「マン管」とも呼ばれ、英語では「Licensed Strata Management Consultant」と表現されます。ここでは、マンション管理士の役割や試験の詳細、派遣モデル事業について解説します。

概要

マンション管理士は、マンションの運営や大規模修繕を含む建物の技術的な課題への対処、法的な専門知識に基づいたコンサルティングを行います。この資格を取得するには、マンション管理士試験に合格し、正式に登録される必要があります。そのため、マンション管理士は名称独占資格であり、無資格者がこの名称を使用することは法律で禁止されています。違反した場合、30万円以下の罰金が科される可能性がありますが、マンション管理士自体は独占業務ではありません。

また、研究者の戸田聡子は2004年に、当時のマンション管理士約1,500人の他の資格保有状況を調査しました。その結果、宅地建物取引士が81.6%、管理業務主任者が73.9%という割合で、他の資格を持つマンション管理士が多いことが確認されました。

派遣モデル事業

この事業は、平成19年度にスタートした国庫補助事業であり、分譲マンションの質の向上と専門家の能力向上を目的としています。マンション管理士が地域の管理組合に派遣され、適切な運営をアドバイスすることで、地域の管理基盤を整えることが狙いです。事業は平成19年度から3年間計画されており、初年度には千葉、埼玉、大阪、東京、福岡がモデル地域に選ばれました。

マンション管理士試験

マンション管理士試験は、国土交通大臣が主宰し、公益財団法人マンション管理センターが試験機関として指定されています。この試験は年に1回（通常11月の最終日曜日）実施され、受験地域は全国各都市に広がっています。受験資格には年齢や性別、学歴の制限はなく、受験料は9,400円です。

試験内容は、マンションの管理に関連する法令や実務、法律、建物の区分所有、管理組合の運営、建物の構造や大規模修繕、さらに管理の適正化に関する法律など多岐にわたります。合格率は7～9%程度で、難関試験とされています。特に管理業務主任者の合格者には、一定の問題が免除されるため、受験者の多くがこの資格保持者です。

合格後の手続き

合格後は、登録免許税として9,000円が必要です。登録後は5年ごとに法定講習を受ける義務があり、この講習を通じて最新の知識をアップデートすることが求められます。

まとめ

マンション管理士は、マンション管理組合に対する専門的な知識を持つ国家資格者として重要な役割を果たします。その資格取得のためのプロセスや試験内容、今後のキャリア形成について理解を深めることで、マンション管理士としての活動をより一層充実させることが可能です。資格に関する情報は国土交通省や各専門団体のウェブサイトを通じて得ることができます。

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