ミャンマー軍

ミャンマー軍の概要

ミャンマー軍（タッマドー）は、ミャンマー（旧ビルマ）の国軍であり、陸軍、海軍、空軍から構成されています。軍の総兵力は約40万6千人で、陸軍の人数が最も多く、海軍と空軍は相対的に少数派です。他のASEAN諸国と比べ、軍事力はベトナムに次ぐものを持っています。特に反ゲリラ戦や山岳戦に特化した軽歩兵部隊が主力です。また、1962年の軍事クーデター以来、国際的な軍事援助をほとんど受けていなかったため、長年にわたり軍備の近代化は遅れがちでした。しかし、1990年代以降は中華人民共和国や旧東側諸国から大量の兵器を購入し、急速に軍の近代化が進んでいます。

軍の構造と歴史

ミャンマー軍は国防省の下に組織されており、陸軍、海軍、空軍がそれぞれの任務を遂行します。特に陸軍は、国軍全体の中核となっており、軍全体の約9割を占めています。旧ビルマ王朝時代からの歴史を有し、近代的な軍隊としての体制は独立後1945年に確立されましたが、1948年から始まった内戦や少数民族との武装衝突が続いたことで、軍の役割も大きく拡張しました。

クーデター後の旧政権の混乱を経て、国軍は国内での安定を保つ存在として、また経済的な権力を持つ重要な組織へと成長しました。国軍関係者の人口は、現在では約200万人に達し、国民の約4％を占めています。

民族問題と内戦

ミャンマー国内では、多数の少数民族が存在しており、これらの民族による独立運動または権利要求が鉄砲弾を交わすことに発展しました。1950年代から続く少数民族武装勢力の戦闘が続いており、彼らとの間で国軍との間に停戦協定や和平合意が結ばれたこともありましたが、2021年に発生したクーデターを契機に再び戦闘が激化しています。

現代の軍の役割と国際関係

国軍は、98年以降の近代化プロセスを経て、現代においては新しい軍事戦略を形成しています。ロシアや中国からの兵器輸入が増加し、特にロシアとの関係が強化されている一方で、国際社会からの非難や制裁も増える一方です。

評判と国民の感情

国軍は、長年の内戦や民主化運動の中で国民からの評価が変化してきました。少数民族の人々からは憎悪の対象となり、一般のミャンマー人からは反発も受ける一方で、国軍とその支援者による経済的利益を享受している人々もいます。

コロナ禍と現在の緊迫した情勢の中で、ミャンマー人民は国軍のあり方に対する見方や評価が二分されています。国内外からの強い圧力に直面しながらも国軍がどのようにその存在意義を模索し、未来を築いていくかは、引き続き注視すべきテーマです。

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