ムルチ

ムルチの詳細

ムルチは特撮テレビドラマ『帰ってきたウルトラマン』およびその他のウルトラシリーズに登場する架空の巨大魚怪獣です。彼は四肢を持ち二足で歩く特異な姿をしており、その形状はまるでサケの成魚を思わせるような湾曲した口を持っています。

『帰ってきたウルトラマン』に登場するムルチ

ムルチが初めて登場したのは、特撮ドラマ『帰ってきたウルトラマン』の第33話「怪獣使いと少年」です。この話の中で、ムルチは地球に激しい雨と共に姿を現し、出現当初は暴れまわっていました。しかし、その真の原因は、善良な宇宙人であるメイツ星人によって河原の地底に封印されていたことにあります。メイツ星人は公害によって衰弱し、少年を救おうと試みたが、市民の恐怖心から警官に命を奪われ、その影響でムルチは解き放たれました。

復活後のムルチは、高熱の破壊光線を口から吐き、ビルを破壊できるほどの怪力を備えており、周囲の工場を壊滅させます。人間を襲う姿は恐ろしいものでしたが、最終的には『ウルトラマンジャック』として変身した郷秀樹との戦闘を経て敗れます。彼は戦闘中、張り手などを使い善戦しますが、最後には炎上する建物に投げ込まれ、スペシウム光線によって撃破されてしまいます。

ムルチのデザインは熊谷健によるもので、特に頭部のデザインはサケがモチーフとされています。また、ムルチが使用するウルトラブレスレットは予告編で触れられていたにもかかわらず、本編では使用されませんでした。

2020年には、オールナイト映画祭イベント「コアチョコ映画祭 HARDCORE CHOCOLATE GRINDHOUSE'20」で、ムルチが登場するエピソードが上映され、その際には特製のTシャツも販売されました。

『ウルトラマンA』に登場するムルチ（二代目）

次に登場した二代目ムルチは、作品『ウルトラマンA』の第7話に登場し、体色は初代の青色とは異なり、銀色に輝いています。彼は対超獣ドラゴリー、メトロン星人Jr.と共に登場し、特に瞬間的な出現は強烈なインパクトを与えました。

しかし、彼の運命は厳しいものであり、初代とは異なり、短命な結果を迎えます。彼はドラゴリーとの戦闘中に逆上したドラゴリーに襲われ、最終的に惨殺されます。二代目ムルチは体型がよりスリムで、目つきや尻尾の形状などに違いが見られます。

ゾアムルチ

新たな形態として、ゾアムルチが『ウルトラマンメビウス』に登場します。このキャラクターは、メイツ星人によって地球に侵入し捕獲、改良された別個体であり、青い結晶のような模様が下半身や尻尾に存在します。ゾアムルチは憎しみの感情と共に行動し、最後にはウルトラマンメビウスによって倒されます。

まとめ

ムルチは、特撮における個性的な怪獣の一つであり、初代から続く彼の異なる形態は、多くのファンに愛され続けています。衝撃的なストーリーや戦闘シーン、デザインの進化を経て、ウルトラシリーズの代表的な存在となっています。彼の物語は、環境問題や悪と善の相互作用について考えさせられる内容となっており、その影響は現在も多くの人々に残っています。

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