モルモー

モルモーについて

モルモー（古希: Μορμώ, Mormō）や、モルモリュケー（古希: Μορμολύκη, Mormolykē）、さらにはモルモーン（古希: Μορμών, Mormōn）は、ギリシャ神話の中で女性の姿をした吸血鬼の一種とされています。彼女は冥界の住人であり、女神ヘカテーにエンプーサと共に仕える存在とされています。

冥府の神々との関係

モルモーは、冥府における重要な役割を持つ存在とされ、神話ではヘカテーの祈祷文にもその名が登場します。彼女はまた、アケローン川の神の乳母であったとも伝えられており、こうした背景からも、彼女が冥界に深く根ざした存在であることがわかります。日本語では、モルモ、モルモリュケ、またはモルモンという短縮形で呼ばれることもあります。

性格と特性

モルモーの性格については、大人しく親しみやすいお化けのような存在として描かれています。しかし、彼女の神話的な起源を探ると、少々異なる側面が見えてきます。元々、彼女はラミアーやゲローと同類の怪物として認識されており、一説にはライストリューゴーン族の女王であったとも言われています。この王女は、失った子供の悲しみから他人の子供を狙う存在に変わってしまったという物語が伝わっています。

民間伝承でのモルモー

民間伝承においては、モルモーは母親が幼い子供に語り聞かせるお伽噺の中に登場するお化けとして広まっています。このような描写から、モルモーは純粋に恐れられる存在というよりも、子供たちを戒めるためのキャラクターとしての機能も果たしていることがわかります。また、イソップ寓話の中には『狐とモルモーの面』という話があり、見た目は立派でも中身のない人間を風刺する内容となっています。ここでは彼女の象徴性が強調され、社会や人々の心に警告を与える存在としての一面が強調されています。

まとめ

このように、モルモーはギリシャ神話の中で非常に多面的なキャラクターとして存在しており、神話の枠を超えて、民間伝承や寓話の中にも影響を与えています。彼女の姿を通じて、人々はさまざまな感情や教訓を受け取っているのです。

もう一度検索