ヤールギュレシ

ヤールギュレシ：トルコの伝統的なオイルレスリング

ヤールギュレシ（トルコ語: Yağlı güreş）は、オイルレスリングの一種であり、トルコにおける伝統的な格闘技として650年以上の歴史を有しています。これはトルコの国技とされており、特にエディルネで開催される全国大会「KIRKPINAR」は特に知られています。

この大会は「40の泉」を意味し、毎年6月から7月にかけて開催され、参加するレスラーの数は約1800名に達します。本競技は、世界最古の格闘技大会の一つとも言われており、主に屋外の牧草地で行われます。

ヤールギュレシの特徴

ヤールギュレシは、オイルを使用する伝統に基づくレスリングで、主にオリーブオイルを全身に塗って競技が行われます。レスラーは「クスベット」と呼ばれる黒い牛革のズボンを着用し、文字通り滑るように組み合います。全国大会では、3日間で2000リットル以上のオイルが消費されることも珍しくありません。

競技は、相手の体を持ち上げたり、背中を地面につけさせたりすることで勝敗が決まりますが、オイルの影響で非常に難易度が高く、一時は無制限の試合時間が設けられていました。1985年には試合時間が40分に制限され、さらに2004年からはポイント制が導入されました。

技術とルール

ヤールギュレシでは、滑るオイルの特性を活かした独自の技が多数あります。特に、対戦相手のズボンに手を差し込み、股関節から持ち上げる技はよく見ることができます。ただし、性器への攻撃は禁止されています。

過去のルールはシンプルで、相手の背中を一瞬でも地面につけるか、全身を持ち上げて数歩歩くことで勝利となりました。1975年からは試合時間の制限が設けられ、現在はポイント差による勝利も認められています。

国際的なつながり

KIRKPINARの全国大会には、他国の有力レスラーを招待する枠もあり、時折訪れた力士たちとの交流も行われました。2006年には当時の小泉元総理がトルコ国内のレスラーの相撲部屋入門を提案しましたが、実現には至りませんでした。

このように、ヤールギュレシはトルコの文化に深く根ざし、国内外での交流を通じて新たな展望を迎えている格闘技です。

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