ラーゲリより愛を込めて

映画『ラーゲリより愛を込めて』

『ラーゲリより愛を込めて』は、辺見じゅんのノンフィクション作品『収容所（ラーゲリ）から来た遺書』を原作とした2022年公開の日本[[映画]]です。監督は瀬々敬久、主演は二宮和也が務めます。過酷な運命に翻弄されながらも、希望を捨てずに生き抜いた男とその仲間たちの絆を描いた感動的な物語です。

あらすじ

1945年、満鉄調査部に勤務する山本幡男は、妻と4人の子供たちとハルビンで幸せに暮らしていました。しかし、第二次世界大戦の終結とともに、幡男はソ連軍の捕虜となり、シベリアの強制収容所（ラーゲリ）へ送られてしまいます。妻子は日本へ帰国しますが、幡男は極寒の地で過酷な強制労働を強いられることになります。

ラーゲリでの生活は、想像を絶するものでした。零下40度にもなる厳しい寒さ、満足な食事も与えられず、絶望に打ちひしがれる人々。そんな過酷な状況下でも、幡男は決して諦めませんでした。「諦めるな！」と仲間たちを励まし続け、生きる希望を与えようとします。しかし、次第に幡男の体は蝕まれていき、病に倒れてしまいます。

幡男は末期の咽頭癌と診断され、余命わずかであることを告げられます。収容所の仲間たちは、幡男のためにストライキを起こし、設備の整った病院への移送を要求します。しかし、幡男は病院からすぐにラーゲリへ戻されてしまいます。そんな幡男に、捕虜の団長は遺書を書くことを勧めます。幡男は、愛する家族への想いを込めて遺書を書き始めますが、収容所では日本語の書類は没収されてしまうため、仲間たちは幡男の遺書を分担して暗記することにしたのです。

1954年、幡男は45歳という若さでこの世を去ります。2年後、ようやく日本への帰国が叶った元捕虜たちは、幡男の家族を訪ね、記憶してきた遺書の内容を伝えます。それは、絶望的な状況下でも希望を捨てず、家族を想い続けた幡男の愛のメッセージでした。

時は流れ、2022年。幡男の長男・顕一は、孫娘の結婚式に出席します。そこで、彼は遠い昔に家族全員で出席したハルビンでの結婚式を思い出します。そして、どんな時にも人間らしく生きた父・幡男に思いを馳せ、幡男の言葉「今日という日を、よーく覚えておくんだよ」を新婦へ贈るのでした。

キャスト

山本幡男：二宮和也
山本モジミ：北川景子
松田研三：松坂桃李
新谷健雄：中島健人
山本顕一（壮年期）：寺尾聰
相沢光男：桐谷健太
原幸彦：安田顕

スタッフ

原作：辺見じゅん『収容所（ラーゲリ）から来た遺書』
監督：瀬々敬久
脚本：林民夫
音楽：小瀬村晶
主題歌：Mrs. GREEN APPLE|Mrs._GREEN_APPLE「Soranji」

受賞歴

第46回日本アカデミー賞
優秀主演男優賞 - 二宮和也
優秀美術賞 - 磯見俊裕、露木恵美子
第65回ブルーリボン賞 主演男優賞 - 二宮和也

『ラーゲリより愛を込めて』は、過酷な状況下でも希望を捨てずに生き抜いた人々の姿を描いた感動的な作品です。ぜひ、ご覧ください。

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