レティクル座妄想

レティクル座妄想

『レティクル座妄想』は、日本のロックバンド筋肉少女帯の9枚目にあたるスタジオアルバムである。本作は、TOY'S FACTORYからMCAビクターにレコード会社を移籍した後にリリースされた初の作品としても知られている。そのため、本作はバンドの転機を象徴する重要なアルバムと位置付けられている。1998年に活動休止するまで、このアルバム以降のリリースはすべてメンバー自身によるセルフプロデュースとなった。

コンセプトとテーマ

本アルバムは、レティクル座という星に憧れを寄せる人々の狂気や幻想を中心に描いている。タイトルにある「レティクル座」は、UFOに誘拐されたとされるヒル夫妻の証言に基づいており、宇宙人の出身地とも言われている。収録された楽曲は、死や無への願望というテーマも盛り込まれており、深い心理描写がさまざまな形で展開されている。特に「飼い犬が手を噛むので」には、夫のバーニー・ヒルが登場するなど、独自の世界観を醸し出している。

2018年6月20日には、メジャーデビュー30周年を記念してボーナストラックを追加し、全曲リマスタリングされた『レティクル座妄想+6』が再発売された。この新しいエディションでは、過去の楽曲が現代の音質で楽しめるようになっている。

収録曲

アルバムには、以下のような楽曲が収められている。

• - レティクル座行超特急

作詞：大槻ケンヂ、作曲：本城聡章・筋肉少女帯

• - 蜘蛛の糸

作詞：大槻ケンヂ、作曲：大槻ケンヂ・筋肉少女帯

• - ハッピーアイスクリーム

作詞：大槻ケンヂ、作曲：内田雄一郎・筋肉少女帯

• - 香菜、頭をよくしてあげよう

作詞：大槻ケンヂ、作曲：本城聡章・筋肉少女帯

• - さらば桃子

作詞：大槻ケンヂ、作曲：橘高文彦・筋肉少女帯

• - ノゾミ・カナエ・タマエ

作詞：大槻ケンヂ、作曲：大槻ケンヂ・筋肉少女帯

• - 愛のためいき

作詞：平田穂生、作曲：大林宣彦

• - ワダチ

作詞：大槻ケンヂ、作曲：内田雄一郎・筋肉少女帯

• - ノゾミのなくならない世界

作詞：大槻ケンヂ、作曲：橘高文彦・内田雄一郎・筋肉少女帯

• - パリ・恋の都

作詞：大槻ケンヂ、作曲：本城聡章・筋肉少女帯

• - レティクル座の花園

作詞：大槻ケンヂ、作曲：橘高文彦・筋肉少女帯

• - 飼い犬が手を噛むので

作詞：大槻ケンヂ、作曲：橘高文彦・筋肉少女帯

また、リマスター版『レティクル座妄想+6』には以下のデモ音源やボーナストラックが収録されている。

• -ノゾミ・カナエ・タマエ (Pre-production)
• -レティクル座の花園 (Pre-production)
• -ハッピーアイスクリーム (Uchida's Demo)
• -香菜、頭をよくしてあげよう (Honjo's Demo)
• -さらば桃子 (Kitsutaka's Demo)
• -蜘蛛の糸 (Pre-production)

楽曲制作と演奏者

アルバムの音楽は、大槻ケンヂをボーカルに、橘高文彦や本城聡章がギターを担当し、内田雄一郎がベース、太田明がドラムを演奏している。さらに、秦野猛行がキーボードでゲスト出演し、安紀がコーラスを提供している。これらの演奏者たちが融合することで、独特な音楽性が生まれており、リスナーに深い印象を与える作品となっている。

『レティクル座妄想』は、バンドの自由な創作活動を象徴する一作であり、多様な音楽的要素と独自の視点から描かれた歌詞が特徴的である。このアルバムは、日本のロックシーンにおける重要な位置を占めており、その影響は今もなお色あせていない。

もう一度検索