ロバーツコーヒー

フィンランドを代表するコーヒーチェーンの一つであるロバーツコーヒーは、質の高いコーヒー体験を提供するブランドとして知られています。

概要

ロバーツコーヒーは、北欧フィンランドを拠点とする大手コーヒーチェーン店です。本国フィンランド国内に44店舗を展開しているほか、スウェーデン、デンマーク、エストニアといった近隣の北欧諸国に加え、遠くトルコやシンガポール（シンガポール・チャンギ国際空港内を含む）など、世界各地に合計56店舗を構え、国際的な展開を進めています。

日本市場へは2012年 12月21日に初めて進出しました。国内第1号店は福岡県福岡市大名にオープンした「ロバーツコーヒー福岡大名」です。今後の事業拡大として、フランチャイズ方式による全国展開を計画しており、今後5年間でおよそ20店舗体制の構築を目指すとしています。

日本における旗艦店である福岡大名店では、フィンランド本国で人気を博す定番のコーヒーメニューやペストリーなどに加え、大福のような日本独自の食材を取り入れたメニューも提供しており、現地の嗜好に合わせた工夫が見られます。店舗デザインは白と木目を基調とした温かみのある空間となっており、フィンランドのライフスタイルに関する雑誌を置くなど、北欧らしい雰囲気を演出しています。また、この店舗のユニークな点として、コミュニティFM放送局「コミュニティラジオ天神（COMI×TEN）」のサテライトスタジオが店内に併設されており、2013年1月11日から実際に放送が行われています。

コーヒーに対するフィンランド人の情熱に応え、ロバーツコーヒーのコーヒーは、日々の生活に溶け込むような優しくまろやかな味わいが特徴です。さらに、コーヒーの果肉を利用した「おなかコーヒー」というメニューも提供されており、これは胃に優しいとされています。ロバーツコーヒーは単にコーヒーを提供するだけでなく、コーヒー豆の生産地からカップを提供するカフェまで、サプライチェーン全体を通じた持続可能なコーヒー文化の創造を目指しています。この理念に基づき、環境への負荷を低減するため、通常は廃棄されるコーヒーの果肉をアップサイクルし、石鹸やジュースといった新しい製品へと生まれ変わらせる取り組みも行っています。

歴史

ロバーツコーヒーは、コーヒーに深い関わりを持つ家系に生まれたロバート・パウリグ氏によって創業されました。パウリグ家は代々コーヒー事業に携わっており、その歴史は非常に古いです。彼の7代前の先祖にあたる人物は、フィンランドで初めてコーヒー豆を焙煎した人物として知られ、さらにヘルシンキの市長を務めたという顕著な経歴も持ち合わせています。また、ロバート氏の祖父であるエドワード・パウリグ氏は、「ニッセン」という名のコーヒーショップを100店舗以上展開し、「フィンランドのコーヒー王」と称されるほどの成功を収めた伝説的な人物です。

ロバート氏自身もまた、父のもとでコーヒービジネスの基礎を学び、さらにコーヒー生産国であるブラジルでも専門的な知識と技術を習得しました。彼の人生に大きな転機をもたらしたのは、アメリカへの旅です。そこで目にした多様なカフェ文化に感銘を受けた彼は、フィンランドでも人々が集い、質の高いコーヒーを楽しむことができる空間を作りたいと強く願うようになります。そして、その決意を現実のものとするべく、1987年、ヘルシンキの海岸沿いに位置する歴史的な倉庫施設「ヴァンハ・サタマ」（現在はイベントスペースとして活用されている）に、ロバーツコーヒーの記念すべき第1号店をオープンさせました。これが現在のロバーツコーヒーへと繋がる始まりとなったのです。

ロバーツコーヒー（関東地区）
ロバーツコーヒー（福岡地区）
ロバーツコーヒー本国ウェブサイト（英語）

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