ヴァンゆん

ヴァンゆん（VAMYUN）は、ヴァンビとゆんによって結成された日本の男女二人組YouTuberおよびタレントユニットです。2018年にその活動を開始し、2023年にコンビとしての活動を終了しました。活動期間中は大手芸能事務所である太田プロダクションに所属し、YouTubeを主軸としながらも多方面で活躍の場を広げました。

来歴

コンビ結成以前、ヴァンビはヴィジュアル系バンドでの活動経験を持ち、ゆんはアイドルグループに在籍していました。それぞれが個人YouTuberとしてのキャリアをスタートさせたのは、ヴァンビが2016年、ゆんが2017年のことです。YouTuberが集まるイベントで顔を合わせる機会が何度かあり、2018年2月に初めて共同で動画を制作したことをきっかけに、互いのチャンネルで頻繁にコラボレーションを行うようになりました。

このコラボレーションが好評を博したことから、2018年7月21日には1ヶ月限定という形でコンビを結成しました。ところが、この試みが予想以上に大きな注目を集め、知名度が飛躍的に向上したため、正式に「ヴァンゆん」として活動を継続する運びとなりました。

快進撃は続き、2019年3月にはYouTubeチャンネルの登録者数が100万人を突破しました。同年9月、ヴァンビは所属していたUUUMを、ゆんはVAZを離れ、揃って太田プロダクションへ移籍します。YouTubeで100万人以上の登録者を持つクリエイターが大手芸能事務所に所属することは当時としては非常に珍しく、注目を集めました。

芸能事務所への移籍を機に、活動の幅はさらに広がります。2019年10月24日には、日本テレビ系の人気バラエティ番組『ダウンタウンDX』に出演し、テレビ番組への本格的な進出を果たしました。2020年6月27日からは読売テレビのバラエティ番組『つづきはテレビでTV』でMCを務めるなど、数々のテレビ番組にゲスト出演する機会も増えました。

音楽活動にも取り組み、2020年11月12日には初のデジタルシングル『ラ・ラ・ランデヴー！』をソニー・ミュージックレーベルズよりリリースしました。また、2020年12月5日には、活動の裏側や魅力を綴った初のスタイルブック『ヴァンゆんの万有引力～人を惹きつける魅力の秘密～』をKADOKAWAから刊行するなど、YouTuberという枠を超えた活躍を見せます。2021年8月14日には、自身でアパレルブランド『UMVAMY（アンバミー）』をプロデュースするなど、事業的な展開も行いました。

しかし、順風満帆な活動の途中で困難にも直面します。2022年5月15日、ゆんが適応障害と診断され、活動を一時休止しました。同年7月1日に活動を再開した後は、チャンネルの方向性を変更し、よりファミリー層に向けたコント動画を中心に投稿するようになります。また、この頃からヴァンビは「スパイダーメーン」という覆面YouTuberとしても活動を開始し、ゆんもそのコラボ相手を紹介するなど、コンビ内外での新たな試みが見られました。

2022年10月1日には、2作目のデジタルシングル『すれ違いラバーズ』を自身のレーベルVAMYUN MUSICよりリリースしました。

2022年12月1日、ヴァンゆんは同年末をもって無期限で活動を休止し、2023年からはそれぞれ個人で活動していくことを発表しました。そして2023年9月9日、コンビの正式な解散を公表しました。解散後も、ヴァンビ、ゆんともに個人名義で太田プロダクションに所属し、芸能活動およびYouTubeでの活動を継続しています。

騒動

ヴァンゆんの活動において、特に大きな反響を呼んだ出来事として「結婚生配信」騒動があります。2021年12月14日、ヴァンビが自身のYouTubeチャンネルで「ゆんとの関係を白黒つける」と発言し、クリスマスの生配信を予告しました。

迎えた12月25日、チャンネルでは「ヴァンゆんチャンネル登録者250万人達成したら結婚する生配信！！」という刺激的なタイトルの生配信が開始されました。しかし、この企画の具体的な内容を事前に十分に把握していなかったゆんは、大勢のスタッフが見守る状況下で参加せざるを得ない状況に置かれ、困惑した様子を見せました。

約4時間にわたる生配信中、チャンネル登録者数は配信開始時の約226.8万人から約228.2万人へと増加しましたが、目標として掲げた250万人には届きませんでした。それでも、設定されていた途中目標（例：227万人達成で結婚式場を本予約、228万人達成で他のYouTuberに電話など）は一部実行されました。この企画のために、結婚式場では式場のスタッフや牧師、さらにはゆんの親族までもが深夜まで待機していたことが明らかになりました。

この生配信に対しては、ゆんの意思や心情への配慮が欠けていた点、そして企画のために多くの関係者（結婚式場のスタッフ、牧師、ゆんの親族など）を巻き込み、結果的に迷惑をかけた点などから、インターネット上で強い批判の声が多数寄せられました。騒動を受け、ヴァンビは翌日には自身のチャンネルで謝罪動画を公開し、「全ての責任は自分にある」と述べました。

なお、ヴァンゆんは過去にも「3日以内に動画に10万いいねがついたら交際を開始する」といった、コンビの関係性をネタにした企画を実施したことがあり、今回の生配信もそうした企画の一環と見なす向きもありましたが、今回はその規模や影響の大きさが問題視されました。

主な活動実績

音楽作品
『ラ・ラ・ランデヴー！』（2020年、デジタルシングル）
『すれ違いラバーズ』（2022年、デジタルシングル）
書籍
『ヴァンゆんの万有引力～人を惹きつける魅力の秘密～』（2020年、スタイルブック、KADOKAWA）
テレビ出演
『つづきはテレビでTV』（読売テレビ、MC）
『警視庁・捜査一課長 season5』
『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』
ウェブ番組
『ザ・マスクド・シンガー2』（Amazon Prime Video）
CM
* G123 ビビッドアーミー（テレビCM、アンバサダー）

ヴァンゆんは、YouTubeクリエイターが芸能事務所に所属し、テレビ番組や音楽活動など多方面に進出する流れを先駆け的に作った存在の一つとして、その活動期間中に大きな影響力を持っていました。コンビ解消後はそれぞれの道を歩んでいますが、彼らがYouTube界やタレント界に残した足跡は小さくありません。

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