七姫物語

七姫物語：七つの都市と、少女の運命

概要

高野和氏によるライトノベル『七姫物語』は、2003年から2011年まで電撃文庫より刊行され、その後2019年にはメディアワークス文庫より新装版が発売されました。尾谷おさむ氏（電撃文庫版）、A・S氏（メディアワークス文庫版）によるイラストも魅力の一つです。第9回電撃ゲーム小説大賞金賞を受賞した本作は、『このライトノベルがすごい！』でも上位にランクインするなど、高い人気を誇ります。

物語の舞台は、「東和」と呼ばれる地域です。7つの主要都市がそれぞれ、先王の隠し子とされる「姫」を擁立し、互いに勢力争いを繰り広げています。物語の中心となるのは、新興都市カセンで孤児院育ちの少女、空澄（カラスミ）です。彼女は野心家の青年、トエルとテンによって、カセンの姫として祭り上げられ、予測不能な運命の渦に巻き込まれていきます。

登場人物

本作には魅力的な登場人物が多く登場します。それぞれの姫は、民衆から愛称で呼ばれており、個性的なキャラクター性を際立たせています。

空澄（カラスミ）：カセンの姫。物語の中心人物。孤児院で育ち、突然姫として祭り上げられる。純粋で、世界への好奇心と強い意志を持つ。
黒曜姫：シンセンの姫。先王の直系の娘とされる。知略に長け、常に冷静沈着に振る舞い、東和再編を企む。影武者を使い、策略を巡らす。
翡翠姫：スズマの姫。「真都同盟」を率い、黒曜姫に対抗する。弱者への優しさと思いやり、強い信念を持つ。自ら先頭に立ち、積極的に政治を進める。
常磐姫：ナツメの姫。武家の出身で、男勝りで豪快な性格。剣の腕前も高く、七姫の中でも最も気性が激しいと評される。
琥珀姫：ツヅミの姫。七姫の中で最も美しいと謳われている。
浅黄姫＆萌葱姫：それぞれクラセとマキセの姫。双子都市の姫として、協調と共存を理想とする。
* トエル＆テン：空澄を補佐する二人。それぞれ異なる性格を持ち、しばしば策略を用いる。

その他にも、個性豊かな登場人物たちが物語を彩ります。地方武家の当主キリハ・ラサ、双子都市の有力商人ハルセ・サイ、空澄の護衛役ヒカゲなど、それぞれが独自の役割を果たし、物語に深みを与えています。

世界観

東和は、大陸本土から隔絶された半島のような地域です。大河が中心を流れ、7つの都市が独自の文化と勢力を持つ複雑な世界観が構築されています。「宮姫」という制度は、本来は王位空位時の祭祀代行者でしたが、現在では各都市の独立の象徴として位置付けられています。

物語

空澄は、彼女の意思とは無関係に姫として祭り上げられ、東和の複雑な政治情勢に巻き込まれていきます。彼女の周囲には、野心を持つ者、彼女を優しく見守る者、そして彼女を利用しようとする者たちが集まります。物語は、それぞれの思惑が絡み合い、予測不能な展開へと進んでいきます。空澄自身の成長と、彼女を取り巻く人々の運命、そして東和の未来がどのように描かれるのか、目が離せない作品です。

既刊一覧

電撃文庫版（全6巻）とメディアワークス文庫版（新装版）が発売されています。また、電撃hp SPECIALに掲載された短編作品も存在します。

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