三川女子調理師学校

三川女子調理師学校：カトリック精神に基づく調理師養成の場

三川女子調理師学校は、長崎県長崎市三川町に位置し、調理師を育成することを目的とした専修学校でした。学校法人精道学園によって運営され、カトリックの属人区であるオプス・デイの理念に沿った教育が行われていた点が特徴です。修道会を母体とするミッションスクールではありませんが、その精神は教育の根幹に息づいていました。

教育の特色

本校では、NVQ（全国職業資格）と呼ばれるイギリス政府管轄の職業能力評価制度を導入し、国際的な視野を持つ調理師の育成を目指していました。実践的なスキルだけでなく、職業人としての意識を高める教育にも力が入れられていたと考えられます。

設置課程

一般課程 調理師科（夜間部のみ）: 修業年限は2年間で、卒業と同時に調理師免許が国家試験免除で取得できるカリキュラムでした。社会人として働きながら、調理師を目指す学生にとって貴重な学びの場となっていました。

キャンパスと学生生活

全寮制を採用しており、寮は学校に併設されていました。学生たちは共同生活を通して、互いに切磋琢磨し、調理師としての技術や知識を深めていたことでしょう。

校章: 新約聖書の「DUC IN ALTUM（沖に漕ぎ出せ）」という言葉にちなみ、大海原に漕ぎ出す船がデザインされていました。これは、学生たちが調理の世界へ力強く漕ぎ出すことを象徴していました。
学園歌: 教職員が作詞、山口修氏が作曲を手掛けた学園歌には、学校名である「精道」が歌詞に織り込まれていました。学園の精神を歌い上げることで、学生たちの帰属意識を高めていたと考えられます。

学生支援

経済的に自立を目指す学生のために「自立支援制度」が設けられていました。姉妹校での実習を兼ねた仕事を提供することで、生活費の援助が行われていました。これにより、経済的な困難を抱える学生も安心して学ぶことができました。

姉妹校との連携

長崎精道小学校・中学校（女子校）と精道三川台小学校・中学校・高等学校（男子校）の給食業務も担っていました。学生たちは、日々の給食作りを通して、実践的な調理技術を磨き、食育への理解を深めていたと考えられます。

閉校とその後

2021年8月31日、三川女子調理師学校は閉校しました。最後の卒業生は3名でした。しかし、2022年度からは各種学校「精道ホームアーツ・スクール」として新たなスタートを切っています。

沿革

1978年2月：学校法人精道学園が設立
1983年4月1日：各種学校「ミカワクッキングスクール」が開校
1989年4月1日：「三川女子調理師学校」に改称、調理師養成施設として厚生大臣の指定を受ける
2000年4月1日：専修学校となる
2013年：創立30周年を迎える
2022年：「三川女子調理師学校」閉校

アクセス

長崎バス「成和田」バス停
長崎県営バス「三原団地」バス停

周辺施設

長崎精道小学校・中学校
精道三川台小学校・中学校・高等学校
長崎市立三原小学校
長崎市立三川中学校
みはら保育園
長崎市三川地区ふれあいセンター

姉妹校

長崎精道小学校・中学校（女子校）
* 精道三川台小学校・中学校・高等学校（男子校）

三川女子調理師学校は、閉校しましたが、その教育理念と地域社会への貢献は、姉妹校や新たな教育機関に引き継がれ、未来へと繋がっています。

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