三枚のお札

三枚のお札

『三枚のお札』は、日本の伝説的な昔話であり、呪いを題材にした逃走劇の代表作です。この物語は、小僧と鬼婆（山姥）との出会いを通じて、機知と勇気が如何に重要かを教えてくれます。

あらすじ

昔、ある村に住む和尚とやんちゃな小僧がいました。小僧は栗拾いに行きたいと駄々をこね、その度に和尚は反対しましたが、最終的には根負けして山への出発を許可しました。和尚は、もし山姥が現れたら3枚のお札を使い、願いを託けるようにと小僧に渡しました。

小僧は山で栗拾いに夢中になり、いつの間にか日が暮れてしまいました。その時、老婆が現れ、彼を自宅に招きました。しかし、夜中に目を覚ました小僧は、老婆が実は山姥であることに気づき、食べられそうになるのを察知しました。

そこで、小僧は「糞がしたい」と嘘をつき、山姥に便所へ連れて行かれる際に、1枚目の札を便所の柱に結びつけます。その札には「何かあったら自分の代わりに返事をしてくれ」と頼み、窓から脱出しました。山姥が札に尋ねると、小僧に化けた札が「もうちっと」と応答しました。

次に、山姥がその言葉を信じて便所の壁を壊した際、小僧はすでに逃げ出していました。怒った山姥は小僧を追い詰めますが、小僧は2枚目の札を使い「大の川、出ろ」と叫ぶと、川が出現しました。しかし、山姥はその川を飲み干し、再び小僧に近づきます。

焦った小僧は、最後の札を片手に「火の海、出ろ」と叫び、火を生み出しますが、山姥はそれを消し去ってしまいました。

小僧は驚きつつ、寺に戻り和尚に助けを求めます。和尚は小僧を壺に隠し、山姥が寺にやって来ると、和尚は山姥と術比べを提案します。まず、山姥はその巨大さを誇示し、和尚も負けじと豆に変貌しました。和尚は、その豆状の山姥をすかさず捕らえ、餅に挟み込み食べてしまいました。

この出来事を経て、山姥が再び現れることはなくなり、小僧も以前より真面目に修行に励むようになりました。物語は、小僧の成長と勇気、そして和尚の知恵が勝利を掴む様子を描いています。

バリエーション

この物語は地域によって様々なバリエーションが存在します。小僧が樹木や植物を採る過程や、山姥を見抜く瞬間は多様に描かれています。また、和尚が丁寧な性格ゆえにすぐに開けられない場面や、便所の神が小僧を助ける役割など、多岐にわたる解釈があることも魅力です。

以上が『三枚のお札』の概要とそのバリエーションについての説明です。この昔話は、ただの恐怖ではなく、知恵や勇気が試される物語です。

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