下関市立美術館

下関市立美術館：下関の文化と歴史を彩る美術の殿堂

山口県下関市長府に位置する下関市立美術館は、1983年の開館以来、地域文化の活性化に貢献する公立美術館として親しまれています。その歴史は、実業家であり文化人でもあった河村幸次郎氏(1901-1994)の熱意に始まります。

河村氏は、日本画家として名高い高島北海の五女と結婚するなど、文化活動にも深い関わりを持っていました。長年に渡り収集した美術品コレクションを下関市に寄贈したことが、この美術館建設の礎となっています。

寄贈されたコレクションは、高島北海、岸田劉生、梅原龍三郎、藤田嗣治、香月泰男といった近代日本画壇を代表する巨匠たちの作品に加え、古代オリエント美術など多岐に渡る約300点に及びます。これらは、美術館の核となる「河村コレクション」として現在も大切に保管・展示されています。

開館から現在に至るまで、収蔵作品は着実に増加し、2021年5月時点では約2400点に達しています。下関市長府出身の近代日本画の父・狩野芳崖の作品も収蔵されており、日本の近代美術史を理解する上で重要な役割を担うコレクションとなっています。

美術館の建物自体も、洗練されたデザインが特徴で、周辺環境との調和も考慮された設計となっています。館内はバリアフリーにも対応しており、車椅子やベビーカーの貸し出しも行われていますので、どなたでも安心して美術鑑賞を楽しむことができます。

アクセス方法

下関市立美術館へのアクセスは、公共交通機関が便利です。

JR下関駅からサンデン交通バス「長府・小月方面行き」に乗車し、「市立美術館前」で下車。徒歩約1分。
JR長府駅からサンデン交通バス「下関駅行き」または「市民病院行き」に乗車し、「市立美術館前」で下車。徒歩約1分。
JR新下関駅からサンデン交通バス「関門医療センター経由下関駅行き」または「同経由マリンランド行き」に乗車し、「松原」で下車。徒歩約3分。

周辺情報

美術館周辺には、歴史的な建造物や自然豊かなスポットが点在しています。

長府庭園：江戸時代からの歴史を持つ美しい庭園。
下関市立歴史博物館（旧長府博物館）：長府の歴史や文化を学ぶことができる博物館。
国立病院機構関門医療センター：医療機関

美術館を訪れた際には、これらの施設も合わせて見学することをお勧めします。下関の歴史と文化を肌で感じることができるでしょう。

開館時間と休館日

開館時間：9時30分～17時（最終入館16時30分）
休館日：祝日以外の月曜日、年末年始（12月30日～1月2日）、展覧会前後の展示替え期間

下関市立美術館は、貴重な美術コレクションと、アクセスの良さ、周辺環境の充実さから、下関観光の際にはぜひ訪れていただきたいスポットです。日本の近代美術史に触れ、豊かな時間を過ごせることでしょう。

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