下関球場

下関球場について

下関球場（しものせききゅうじょう）は、山口県下関市安岡にある野球場です。この施設は下関北運動公園内に位置し、下関市が所有している他、運営管理は下関市公営施設管理公社が行っています。球場の隣には山口県立下関武道館があります。近年、下関市に本社を持つ不動産会社エストラストが命名権を取得し、「オーヴィジョンスタジアム下関」としても知られています。

設立と歴史

下関球場が開場したのは1988年の7月で、市北郊の下関北運動公園内に整備されました。同年、夏には全国高等学校野球選手権山口大会が開催され、アマチュア野球の公式戦も行われるようになりました。プロ野球は1989年から始まり、当初は横浜大洋ホエールズ（現 横浜DeNAベイスターズ）が本拠地として利用していました。特に1989年は、多くのオープン戦や公式戦がここで開催され、その後も毎年球団の試合が行われています。ただし、一軍戦は2008年以降は開催されていません。

下関市は、横浜DeNAベイスターズの「球団発祥の地」としての歴史を尊重しており、1998年には優勝パレードも開催されました。このような歴史的なつながりから、下関はファンの間で「横浜の準本拠地」として愛されています。

施設の構成

下関北運動公園内には、下関第二球場も用意されており、軟式野球専用のサブグラウンドとして利用されています。この第二球場は1985年にオープンし、両翼91m、中堅112mのフィールドを持っています。また、多目的広場やテニスコートも併設されており、地域のスポーツ活動を支える場となっています。さらに2011年には山口県立下関武道館も完成し、下関のスポーツの中心地としての役割が強化されています。

最近では、スコアボードが2006年に電光式に改修され、より便利な観戦環境が整いました。福岡ソフトバンクホークスによる野球教室や、ウエスタン・リーグの公式戦も行われ、地元コミュニティに密着した活動が続いています。

最近の動向

2017年から3年間、エストラストが命名権を買収し、「オーヴィジョンスタジアム下関」と名称変更されました。この取り組みにより、地域とのつながりをさらに強化し、多様なイベントの開催を促進しています。2022年からは新たに九州アジアリーグに参加した福岡北九州フェニックスが公式戦をここで実施し、2023年からは球団名が北九州下関フェニックスに改められました。

エピソード

下関球場は、プロ野球の試合数は少ないですが、数々のドラマチックな瞬間が生まれた場所でもあります。1989年のオープン戦では、雨の影響でグラウンドが悪化し、開催が危ぶまれた中、何とか試合を実施。新人の谷繁元信選手が初本塁打を打ったことは記憶に残る出来事です。また、1990年のゲームでは、野茂英雄選手がプロ初勝利を挙げました。さらに、1998年に駒田徳広選手が満塁本塁打を成功させた試合も、観客の記憶に鮮やかに刻まれています。

交通アクセス

アクセスについては、JR新下関駅からサンデン交通バスを使う方法が便利で、「安岡駅前」行き、または「蒲生野」バス停で下車し、徒歩約5分で到着します。また、JR梶栗郷台地駅からは徒歩17分、新下関駅からは約35分かかります。自動車利用の場合、中国自動車道の下関ICからは約20分で到着可能です。プロ野球の公式戦開催時には、新下関駅および下関駅から臨時バスが運行されるため、交通の便も良好です。

このように、下関球場は地域のスポーツ文化を支える重要な施設であり、多くの人々に親しまれています。

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