不当表示

不当表示とは

不当表示とは、「不当景品類及び不当表示防止法」、略して景品表示法において、消費者に誤解を与えるような表示を禁じる制度を指します。この法律は、事業者が自己の商品やサービスを不当に宣伝することを防止し、消費者が正しい情報に基づいて選択できる環境を整えるために存在します。

表示の定義

景品表示法では、表示とは「顧客を誘引するための手段」として、事業者が商品の特性や取引条件などを広告する行為を指します。このため、消費者が受け取る情報は正確であるべきです。

優良誤認表示

優良誤認表示は、商品やサービスの品質について誤った印象を与える表示を指します。この表示は、実際の品質よりも著しく優れている、または他の競合商品よりも優れていると消費者に印象づけるものです。これは、消費者が自主的かつ合理的な選択を行うことを妨げるおそれがあります。

優良誤認表示の例

例えば、ある通信販売業者が、実際は中綿が糸くずなどであるにもかかわらず「真綿100%」と謳った場合、これは優良誤認表示にあたります。このような誤った表示によって、消費者は商品を選ぶ際に誤った情報に基づいて判断してしまうことになります。

有利誤認表示

有利誤認表示は、取引条件に関する誤った表示です。具体的には、商品やサービスの価格や取引条件が実際よりも著しく有利であるかのように誤解される表示を意味します。この場合も、消費者の合理的な選択を妨げる可能性があります。

有利誤認表示の例

たとえば、ある衣料品店が通常45,000円で販売しているスーツを、「通常価格58,000円」から40,000円と表示する場合、消費者はお得であると誤解するかもしれません。また、関西で唯一や西日本初と謳う表示が根拠なく行われる場合も、これに該当します。

内閣総理大臣による指定

優良誤認表示や有利誤認表示の他にも、一般消費者に誤解を与えるおそれのある表示は不当表示に含まれ、内閣総理大臣により指定されることがあります。たとえば、商品の原産国や清涼飲料水の無果汁表示などがこれに該当します。

違反に対する措置

不当表示の禁止に違反した場合、内閣総理大臣は違反行為の停止を命じることができます。万が一、これに従わなかった場合、最長で2年の懲役または最大300万円の罰金が科せられる要件もあります。

また、都道府県知事も、違反行為の取りやめを指示する権限を持っています。これにより、消費者保護の強化が図られています。

まとめ

不当表示は消費者が正しい情報を得ることを妨げるため、法律によって厳しく規制されています。事業者は誤解を招かない情報提供が求められ、消費者は正しい情報に基づいて合理的な選択ができるよう配慮されています。

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