中川素州

人物とキャリア

1971年8月21日、東京都で生まれた中川素州氏は、日本の俳優であり、特にスーツアクターとして広く知られています。ジャパンアクションクラブ（現在のジャパンアクションエンタープライズ）の17期生としてアクションの世界に入りました。

舞台俳優としても劇団新感線の作品などに参加していますが、彼のキャリアにおいて最も特筆すべきは、特撮作品でのスーツアクターとしての活躍です。男性としては比較的小柄な166.5センチメートルという体格が、特にスーパー戦隊シリーズにおいて重要な役割を果たしました。この特徴的な体型を活かし、女性ヒーロー、とりわけヒロイン役のスーツアクトを数多く担当したのです。1995年の『超力戦隊オーレンジャー』以降、歴代のピンク戦士のスーツアクターをほぼ一貫して務め上げました。

2002年頃からは、女性キャラクター役が女性スーツアクターに交代する流れの中で、一時的に出番が減少しましたが、代役などで作品への関わりは続けました。そして2006年、『轟轟戦隊ボウケンジャー』で再びボウケンピンク役のレギュラーとしてカムバックを果たし、ファンを喜ばせました（放送開始当初の3月は怪我のため欠場）。

スーツアクターとして、中川氏はスーパー戦隊シリーズ以外でも活躍しています。ゴジラシリーズにおいては、『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』で3式機龍（メカゴジラ）、『ゴジラ FINAL WARS』ではキングシーサーやモンスターX、カイザーギドラといった人気怪獣のスーツを演じ、その存在感を示しました。また、『獣電戦隊キョウリュウジャー』では、彼の小柄な体格が、相棒メカである獣電竜ガブティラのスーツアクターに選ばれる決め手となりました。このガブティラのスーツは、制作段階から中川氏が調整に立ち会い、彼の体にフィットするように何度も作り直されたため、特撮監督の佛田洋氏からは「中川にしか扱えない」と評されるほど、彼専用のスーツとなったという逸話があります。

2010年に長年所属したジャパンアクションエンタープライズを退社後、office 魁を経て、現在は宝井プロジェクトに所属し、俳優・スーツアクターとして活動を続けています。

エピソード

女性キャラクターを演じるにあたり、中川氏は衣装を着ることで自然と気持ちが入り込むタイプだと語っており、特別な女性の仕草の研究などは行っていないといいます。

『五星戦隊ダイレンジャー』の撮影期間中には、共演した子役の酒井寿氏や柴田翔平氏と親しくなり、彼らの両親の許可を得てアパートに泊めたことがあります。共に銭湯に行ったりゲームをしたりする中で、改めて子供たちの純粋さを感じたそうです。

『激走戦隊カーレンジャー』でピンクレーサー役に抜擢された際には、体重が増加していたため減量に大変苦労しました。怪獣役が多いと考えて体型維持を特に意識していなかった矢先のピンク役への指名に慌て、山岡淳二アクション監督からは冗談交じりに「たまには太ったピンクがいてもいい」と言われたそうですが、飲みの誘いを断り、竹内康博氏と共にトレーニングに励んで見事に役を作り上げました。

私生活・その他

私生活では2004年に結婚し、その際には西岡竜一朗氏や山本康平氏など、過去の戦隊シリーズに出演した俳優たちが祝福に駆けつけました。また、関連イベントにもゲストとして度々出演しています。

趣味はファミコン、特技はバスケットボールです。

主な出演シリーズ

仮面ライダーシリーズ
スーパー戦隊シリーズ
メタルヒーローシリーズ
ゴジラシリーズ
* その他テレビドラマ、映画、Vシネマ、舞台など多数

長年にわたり、特にスーパー戦隊シリーズにおいて唯一無二の存在感を放ち、作品を支え続けてきた中川素州氏の功績は計り知れません。

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