中村恩恵

中村 恩恵（なかむら めぐみ）について

中村恩恵は、日本の振付家及び舞踊家として知られ、特にコンテンポラリー・ダンスの分野で顕著な活動を展開しています。1970年に横浜市で誕生し、幼少期には父の仕事の影響でイタリアに暮らした経験があります。その後、横浜の小倉礼子バレエ・スタジオでバレエの基礎を学び、1988年にはローザンヌ国際バレエコンクールで入賞を果たし、渡仏するきっかけを得ました。

フランスでは、ジューヌ・バレエ・ドゥ・フランスに入団しますが、怪我のため退団。その後、カンヌのロゼラ・ハイタワー・ダンス・スクールでの学びを経て、アヴィニョンオペラ座やモンテカルロ・バレエ団に参加します。そこで出会ったイリ・キリアンの作品に強い影響を受け、キリアンが芸術監督を勤めるネザーランドダンスシアターに1991年から1999年まで在籍しました。

退団後、中村はオランダを拠点に活動を続け、2000年には自作自演のソロ作品「Dream Window」でGolden Theater Prizeを受賞。翌年、彩の国さいたま芸術劇場で上演されたフルイブニングソロ「ブラックバード」ではニムラ舞踊賞を獲得し、彼女の作品は国際的に高く評価されました。2005年には「A play of a play」を発表し、その後もソロ作品「One 6」をオランダで上演しました。

2007年以降は日本に活動拠点を移し、Dance Sangaを設立。振付家及びダンサーとしての両立を図りながら、Noism07の「Waltz」などが評価され、舞踊批評家協会新人賞を受賞しました。また、NBAバレエ団の「露とくとく」やダンストリエンナーレ東京2009での「ROSE WINDOW」の上演など、多岐にわたる作品での活動を行っています。彼女の新作「The Well-Tempered」や「時の庭」はマルセイユ・ダンス・フェスティバルやYCAMに招聘され、さらに国内外で高い評価を得ることに成功しています。

振付作品のみならず、彼女はキリアン作品のコーチとしても積極的に活動しており、パリ・オペラ座バレエをはじめ、世界各地のバレエ団や学校で指導を行っています。これまでに熊川哲也や首藤康之とのデュエット共演も経験しており、彼女の舞台での存在感は多くの観客に感銘を与えています。

主な受賞歴

• - 1987年: 第1回アジアパシフィックバレエコンクール IBM賞
• - 1988年: ローザンヌ国際バレエコンクール プロフェッショナル賞
• - 2000年: Golden Theater Prize（オランダ）
• - 2002年: ニムラ舞踊賞
• - 2011年: 江口隆哉賞、芸術選奨文部科学大臣賞（平成22年度）
• - 2018年: 紫綬褒章、神奈川文化賞

中村恩恵は、これまでの業績と充実したキャリアにより、国際舞台でのダンスアートにおける重要な存在として評価されています。

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