中田久美

中田久美の軌跡

中田久美（なかだ くみ）は、1965年9月3日生まれの日本のバレーボール選手、指導者、タレント、スポーツキャスターとして知られています。彼女は東京都練馬区出身で、名前は誕生日から付けられました。中田は一人っ子であり、母親の助言を受けて練馬東中学校でバレーボールを始めます。彼女の才能は早くから開花し、1980年には史上最年少の15歳で全日本代表に選出されました。

中田は、1981年には大手企業日立に進み、わずか1年でスタメンセッターに昇格します。その年に日本リーグで全勝優勝を果たし、自身も新人賞を獲得しました。1983年からは日本代表のスタメンセッターとして活躍し、当時世界一のチーム、中国を破ったアジア選手権での優勝や、1984年のロサンゼルス五輪での銅メダル獲得など、次々と大きな成果をあげます。

1986年には世界選手権で主将を務めるも、右膝の大けがに見舞われました。試合中に膝の前十字じん帯を断裂し、復帰まで10か月を要しましたが、その後も膝の痛みに悩まされながらも82年から92年の間に3度のオリンピック出場を果たします。バルセロナ五輪では日本選手団の旗手を務めています。

1992年に一度現役を引退した中田ですが、1995年に復帰し、以後も選手兼指導者として多くの後進の指導に携わります。2011年から2016年まで久光製薬スプリングスの監督としてチームを指導し、Vプレミアリーグや全日本男女選抜大会などのタイトルを獲得しました。特に、彼女が監督就任1年目にして達成した3冠は大きな偉業とされます。

2016年にはバレーボール女子日本代表の監督に選出され、2021年7月までその地位にありました。東京オリンピックでは成績を残せなかったため、指導者としての責任を感じる場面もありましたが、その間に自らの成長を促すために東京大学のエグゼクティブ・マネジメント・プログラムに通学校し、首席で卒業しました。

また、2023年からは新たな挑戦としてフラーゴラッド鹿児島のエグゼクティブ・ディレクターに就任し、筑波大学大学院の体育研究科にも入学しました。

中田の人物像としては、選手時代の厳格な指導で知られ、選手達を一喝する場面が多く見受けられます。それは時に「恐怖」のイメージを持たれがちですが、その裏には選手への真剣な思いがあります。バレーボールにおける技術はもちろん、戦術理解においても高く評価されており、セッターとしてのスタイルは多くの選手にも影響を与えました。

中田久美のキャリアは、彼女自身の努力の結果だけではなく、日本のバレーボール界全体にとっても大きな影響を与え続けるものであり、現在も彼女の活動が注目されています。

もう一度検索