主夫

主夫とは

主夫（しゅふ）、またはハウス・ハズバンドとは、家事や育児を担当する夫を指す言葉です。日本においては、従来「主婦」という言葉が主に女性に対して使われてきた一方、男性の場合は「主夫」と特定しています。近年では、男女の役割や家族の在り方が変化する中で、この言葉の認知度や理解が深まっています。

海外における主夫の数

アメリカ

アメリカ合衆国では、主夫の数が徐々に増加しています。1996年には約4万9千人だった専業主夫が、2006年には15万9千人にまで達しました。彼らの幸福感は、「男性は働いて家庭を支える」という従来の価値観に比べてそれほど違いがないとの調査結果もあります。また、主夫となるきっかけとしては、キャリアを持つ妻が養育のための負担を軽減する目的で夫に家事を任せるケースが多いようです。しかし公園デビューや育児支援グループへの参加の難しさは、依然として社会的な課題として残っています。

日本

日本でも1990年代から主夫のライフスタイルが知られるようになり、実際の人数は増えてきています。国勢調査によると、2010年時点で専業主夫は約6万人いらっしゃいましたが、その数はまだ専業主婦の690万人と比較すると少ないものの、確実に増加傾向にあります。特に、2005年から2010年にかけて、専業主夫の人数が大きく増加したことが認識されています。家事と仕事の両立を目指す男性が増えていることは、平成19年の男女共同参画に関する調査でも示されています。

韓国

韓国においても主夫の数は増加しています。2003年には約10万6千人だった主夫が、2006年には15万1千人に達しました。これは男性が主に働き、女性が家事を担う伝統的な家庭モデルを見直す動きが高まっている表れです。具体的には、男性が従来就いていた高収入な職業に女性が進出しつつある影響が考えられます。

中国

中国では、特に上海などの都市部で女性の社会進出に伴い、主夫が増えてきています。最近では、妻の収入が高い家庭において、男性が専業主夫になることが珍しくなくなっています。しかし、伝統的には子育ては女性の役割とされているため、未だにその価値観が色濃く残っている地域も多いです。

主夫を取り巻く現状と意識

主夫への理解や意識の変化は日本でも見られていますが、課題も多く残しています。家事や育児についての男性の参加意識は年々高まっていますが、依然として家庭内での役割分担に関する伝統的な価値観は残っています。例えば、男性の約3割は「積極的に育児に参加すべき」と考えており、また6割近くが「時間があれば参加する」という意識があることが調査からわかっています。

しかし、主夫であることへの偏見や、社会的な孤立感は依然として存在し、地域の育児支援ネットワークに参加することが難しいと感じている男性も多いようです。

結論

専業主夫の数は増加しているものの、それに伴って社会的な認識やどのようにサポートしていくのかは今後の課題です。それぞれの国における文化的背景や価値観が影響し、専業主夫がどのように受け入れられていくのか、引き続き注目されるべきテーマです。

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