久米一正

久米一正のプロフィールと功績

久米一正（くめ かずまさ）は、1955年7月26日に静岡県で生まれ、2018年11月23日に亡くなりました。彼は日本のサッカー界において、特にゼネラルマネージャー（GM）としての業績で知られる重要な人物です。サッカー選手としてのキャリアも持ちながら、彼の影響力は主にクラブの運営や選手強化において大きな役割を果たしました。

学生時代とキャリアの始まり

浜松市出身の久米は、静岡県立浜名高等学校でサッカー部の主将を務め、高校時代から多くの選手や指導者との人脈を築いていきました。卒業後は進学の道を選び、中央大学に入学。同大学のサッカー部では4年生のときにキャプテンとしてチームを率い、サッカーだけでなく、チームメイトのモチベーションを上げる方法についても深く学びました。

1978年には日立製作所に入社し、同社のサッカー部で選手として活躍。日本サッカーリーグ（JSL）で132試合に出場し、11得点を記録しました。1985年に選手として引退後は、社業に従事しましたが、1988年にサッカー界に戻る決心をします。

GMとしての活動

久米がサッカーに再び関わったのは、日立製作所サッカー部がJSL2部に降格した後、その渉外担当マネジャーとしてでした。彼は有望な選手獲得に特化し、1990年にはチームを1部に復帰させることに成功。92年にはJリーグの立ち上げに貢献し、初代事務局長も歴任しました。

1994年から2002年まで柏レイソルで強化本部長を務め、数々の選手を発掘し、チームの強化に成功しました。特に、1996年・1997年・1999年・2000年にリーグ優勝争いに絡むチームを育て上げたことが評価されました。しかし2002年に降格危機を迎え、責任を取る形で強化本部長を辞任しました。

その後、2003年から2007年まで清水エスパルスで強化育成本部長として、ジュニアユースからの大量昇格を目指す新戦略に取り組み、チームの世代交代に成功しました。2008年には名古屋グランパスでクラブ初のGMに就任し、選手の年俸査定基準を見直した結果、無駄な越年者をゼロにするなど、大きな成果を上げました。2010年には名古屋がクラブ史上初のリーグ優勝を達成しました。

その後のキャリアと最晩年

2010年には日本サッカー協会の技術強化委員に就任し、サッカー界全体に対する影響力を発揮しました。2015年に名古屋グランパスの代表取締役社長に就任し、経営者としても新たな局面に挑戦しました。しかし、2016年にはクラブがJ2降格することになり、社長職を退任。2018年には清水エスパルスに復帰し、GMとして活動していましたが、同年11月に大腸がんで63歳で逝去しました。

久米一正の生涯と業績は、日本のサッカー界における重要な礎となりました。彼の人脈やリーダーシップが、多くのクラブの成長に寄与してきたことは間違いありません。

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