九州エネルギー館

九州エネルギー館について

九州エネルギー館（きゅうしゅうエネルギーかん）は、かつて九州電力が運営していた教育施設であり、特にエネルギーに関連する学びの場として多くの人々に親しまれていました。1971年に電気科学館が開館し、その後の1982年に九州電力の創業30周年を記念して新たに設立されました。この名所は、エネ館という愛称でも知られていました。

この施設は、2013年には累計入館者数が500万人を超えるなど、長年にわたり多くの来訪者に利用されてきました。しかし、施設の老朽化や九州電力の経営状況の悪化が影響し、2014年3月3日に惜しまれながらも閉館しました。

施設の変遷と再開発

閉館後、跡地は積水ハウスに売却されました。その後、近隣の福岡市九電記念体育館やメルパルク福岡跡地との一体開発が計画されており、新たに「浄水ガーデンシティ」という名称で再生が進められる予定です。エネルギー学習の場としての役割は消えましたが、地域の発展に寄与する形での再開発が期待されています。

利用案内

かつての九州エネルギー館は、午前9時から午後5時まで開館しており、毎週月曜日が休館日であったほか、年末年始の特定期間も休業していました。訪問者は自由に見学できるスタイルで、特に日曜日にはスタッフによる「エネルギーツアー」が行われ、多くの人々にエネルギーに関する知識を楽しみながら学ぶ機会を提供していました。

最寄り駅は薬院大通駅、また最も近いバス停は九電体育館前で、公共交通機関によるアクセスも便利でした。

主な展示内容

開館以来、九州エネルギー館内は何度も改修され、多様な展示が行われてきました。以下に2008年当時の特筆すべき展示内容を紹介します。

• - エジソンロボット：発明家トーマス・エジソンの偉業を描いたスライドショーで、エジソンの発明品を元にしたロボットが登場しました。
• - 水力発電ショー：実際の水力発電を模したデモで、揚水式発電の仕組みを体感しつつ、電気を使った演出を楽しむことができました。
• - 3Dシアター：特別なメガネを使い、立体感のある映像を楽しむことができるシアターが設けられていました。
• - 原子力シアター：原子力発電の仕組みを解説するために、実物大の原子炉模型が展示されるなど、技術に関する理解を深めることができました。
• - オール電化PRセンター：IHクッキングヒーターを使った料理実演が行われ、実際に電化改築についての相談も受けられました。
• - 風力発電機：館のシンボルともなったプロペラ型の風力発電機もありました。

あかりの館との関係

また、九州エネルギー館にはあかりの館も併設されていました。この博物館では光エネルギーを用いた照明用具に特化し、様々な照明具を展示していました。あかりの館は九州エネルギー館開館から2年後の昭和59年に設立され、松明から現代の電球に至る様々な照明具が展示されていました。2003年には施設改装が行われ、より多様な展示が行なわれるようになりました。

閉館後、あかりの館で展示されていた灯火具コレクションは福岡市博物館に寄贈され、一部は公開展示されています。

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