九龍妖魔學園紀

『九龍妖魔學園紀』（くーろんようまがくえんき）は、アトラスが2004年9月16日に発売したPlayStation 2向けの学園ジュヴナイル伝奇ゲームです。この作品は、同じくアトラスが手掛けた『東京魔人學園伝奇』シリーズと共通の世界観を持ち、監督や脚本も同シリーズを手がけた今井秋芳が担当しています。また本作はアトラスの学園ジュヴナイル伝奇作品第一弾であり、その後2006年に公開された『ペルソナ3』へと続く重要な作品となります。

2006年には、いくつかの要素が追加されたバージョン『九龍妖魔學園紀 re:charge』が登場しました。さらに、2020年6月4日には、フルボイス化されたNintendo Switch用ソフト『九龍妖魔學園紀 ORIGIN OF ADVENTURE』がアークシステムワークスからリリースされましたが、こちらにはre:chargeの追加要素は含まれていません。

作品の概要

『九龍妖魔學園紀』のストーリーは、主人公である若き宝探し屋が隠された遺跡と秘宝を探し求める冒険を描いています。物語の舞台は2004年の東京都新宿区にある全寮制高等学校、天香學園です。主人公は転校生としてこの学園に現れ、そこで出会った仲間たちと共に、超古代文明の謎を解き明かしていきます。しかし、主人公の行く手には数々の罠や“化人”と呼ばれる怪物、さらには学園を支配する生徒会の陰謀が待ち受けています。

ゲームシステム

本作のゲームシステムは、日常のADVパートと非日常的な探索パートの二部構成で構成されています。前者では学園内での人間ドラマが進行し、後者では3Dマップを用いたRPG形式の探索が行われます。この探索パートは、遺跡内の謎やトラップを解決しながら敵戦闘を行うことが特徴です。特にこの探索パートは本作の重要な要素であり、プレイヤーは様々な仕掛けや敵の弱点を探り出し、解決することが求められます。

また、資金を稼ぐためのクエストがあり、世界中の依頼人からの依頼をこなすことで新たなアイテムの調合も可能です。各話にはストーリーの冒頭と結末があり、探索パートがその間に干渉する形で物語が展開していきます。

シナリオと主人公

本作の主人公は、特殊な能力を持っていない通常の人間でありながらも、各種技能を駆使して化人たちと対等に戦います。この点において、異能の力が必ずしも万能でないことや、普通の人間としての主人公の存在意義が物語の中心テーマとなります。また、主人公は多様にカスタマイズ可能で、誕生日や出身地などを自由に設定できる一方、性別は男性に固定されています。シナリオの進行により仲間の加入が変化し、個別のエピソードが展開される様相です。

各話のタイトル

本作では各話のタイトルがジュヴナイル小説からインスパイアされており、例えば「蜃気楼の少年」や「時をかける少女」といったタイトルがつけられています。それぞれの話が異なる主人公の冒険と仲間との関係に焦点を当て、プレイヤーは物語を進めることができます。

『九龍妖魔學園紀』は、そのユニークな世界観や緻密なストーリー展開、個性的なキャラクターたちによって、特に冒険や謎解きを楽しむプレイヤーに向けた魅力的な作品となっています。

もう一度検索