五人ライダー対キングダーク

映画『五人ライダー対キングダーク』

1974年7月25日、「フィンガー5と遊ぼう! 東映まんがまつり」の一環として公開された中編映画『五人ライダー対キングダーク』は、仮面ライダーシリーズの一作品です。約28分のカラー作品で、シネスコサイズで上映されました。本作は、特に仮面ライダーXを主役とし、劇場用としては初のオリジナルストーリーが展開されました。

製作の背景と時代背景

この作品が制作された1974年は、仮面ライダーが引き起こした「変身ブーム」がピークを過ぎ、次第に「巨大ロボットアニメ」が子供たちの間で人気を集めていました。その流れを反映する形で、テレビシリーズ『仮面ライダーX』にも新たな大幹部「キングダーク」が登場します。映画の中でも、アポロガイスト配下の神秘的な「GOD秘密警察」や敵キャラクターが新旧入り交じって登場し、作劇の幅を広げています。興行タイトルでは、メイン作品として『マジンガーZ対暗黒大将軍』があしらわれており、時代の趨勢を感じさせます。

物語のあらすじ

物語は、日本を破壊しようとする暗黒組織「GOD」の幹部、キングダークによって引き起こされます。彼に指揮された五体の怪人が、神敬介（仮面ライダーX）の元に襲いかかります。モトクロス場でのオートバイ訓練中、突然現れたジンギスカンコンドルとガマゴエモンに襲撃された敬介は、仮面ライダーXに変身し対抗しますが、戦いの様子がGODに中継されてしまいます。

その後、地下から響く不気味な声を耳にした姉弟がXライダーに知らせに行くと、そこには仮面ライダー1号が姿を現します。敵キャラクターであるユリシーズは、犬の吠え声によって正体を暴かれ、仮面ライダー2号に追い払われます。さらに、少年が河で遭遇した奇妙な機械に背負われた怪人たちに襲われ、ライダーマンが現れ事なきを得るのです。

最終決戦

物語は、GODの本拠地「奇岩城」にて五人ライダーが集結し、怪人軍団との壮絶な戦闘が展開されます。果敢に敵に立ち向かう仮面ライダーたちですが、敵の策略は依然として続いており、勝利の後には新たな恐怖が待ち受けていることを暗示しています。戦いを終えた五人ライダーが飛行船によって去って行くシーンで幕を閉じます。

特徴とキャラクター

本作には、歴代の仮面ライダー4人が登場しますが、彼らはほとんど変身後の姿で行動します。特にライダーマンは、前作『仮面ライダーV3』での死から復帰し、本作で初めての登場となります。怪人たちも多彩で、コウモリフランケンを中心とした新たな敵勢力が展開され、各怪人には固有の背景が設定されています。

音楽と映像

音楽は菊池俊輔が担当し、作品の雰囲気を一層引き立てています。また、公開に合わせて伊勢丹新宿店でイベントも行われるなど、話題性に富んだ作品となりました。音声の録音や編集、特撮シーンの撮影には、様々な工夫が凝らされ、エンターテイメント性を強化しています。仮面ライダーシリーズの他の作品と同様に、悪役とのバトルやアクションシーンが中心に描かれ、刺激的な内容となっています。

『五人ライダー対キングダーク』は、仮面ライダーシリーズの特異な作品の一つであり、当時のトレンドや時代背景を色濃く反映した作品として語り継がれています。

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