井上雅博

井上雅博（いのうえ まさひろ）は、1957年2月12日に生まれ、2017年4月25日に60歳で亡くなった日本の実業家です。彼は、ヤフー株式会社の二代目代表取締役社長として知られています。

ヤフー創業と成長

1996年、井上雅博はソフトバンクの創業者である孫正義氏と共にヤフー株式会社を設立しました。孫氏が初代社長を務めた後、井上氏は二代目社長に就任し、2012年までその職を務めました。彼は孫氏の右腕として、ヤフーの経営を実質的に主導し、16期連続の増収増益という目覚ましい成果を上げました。1999年には「Yahoo!オークション」（現在のヤフオク）を開始するなど、検索サービスにとどまらず、様々な分野でヤフーのサービスを拡大し、成長に大きく貢献しました。当時、本家であるアメリカのYahoo!が経営不振に陥る中、井上氏率いる日本のヤフーは巨大メディア企業へと発展し、彼は「ヤフーを作った男」と称されるようになりました。

退任とその後

2012年、スマートフォンの普及に伴い、ヤフーの業績が鈍化し始めました。これを受けて、孫正義氏は経営陣の刷新を決断し、井上氏は社長を退任することになりました。これにより、井上氏はビジネスの世界から完全に身を引き、55歳で引退しました。引退後は、巨額の資産を背景に、ワイン、葉巻、クラシックカーレースなど、自身の趣味に没頭する生活を送りました。

生涯

井上雅博は東京都世田谷区祖師谷で生まれました。父親は医療業界専門紙の記者兼編集者、母親は専業主婦でした。東京都立松原高等学校を卒業後、1979年に東京理科大学理学部数学科を卒業しました。その後、ソード電算機システムに入社し、1987年に退社。同年、ソフトバンク総合研究所に入社し、1992年にはソフトバンクに転籍しました。1994年には社長室長に就任し、1996年1月には米国Yahoo!との合弁会社であるヤフー株式会社の創業に、孫正義社長の側近として深く関わりました。同年7月にはヤフー株式会社の代表取締役社長に就任しました。1997年11月にはヤフーの株式を店頭市場に公開し、2003年10月には東証一部に上場させました。2009年度からは役員報酬開示制度により、1億5900万円の報酬を得ていたことが公表されました。2012年6月22日、井上氏はヤフー株式会社の代表取締役社長とソフトバンクの取締役を退任しました。

2017年4月25日（日本時間4月26日）、アメリカ合衆国カリフォルニア州で、クラシック・スポーツカーの耐久レース大会に参加中、自損事故を起こし、60歳で生涯を閉じました。

井上雅博は、ヤフー株式会社の発展に大きく貢献し、日本のインターネット業界の歴史に名を刻んだ人物と言えるでしょう。

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