介護休業の概要
介護休業(かいごきゅうぎょう)とは、特定の親族を
介護する必要がある
労働者が、法律に基づいて取得できる休業のことです。この制度は日本において、
1991年に施行された「
育児休業、
介護休業等育児または家族
介護を行う
労働者の福祉に関する法律」(育児
介護休業法)に基づいています。この記事では、
介護休業の定義や取得方法、制度の背景などを詳しく見ていきます。
「
介護休業」とは、法第3章に基づき、要
介護状態にある親族を
介護するために必要な休暇を指します。具体的には、
労働基準法に定める「
労働者」であり一時的な日雇いの
労働者を除く対象となります。
介護休業の取得回数は、対象家族1人につき3回まで、通算93日までとなっています。
労働者が
介護休業を取得するには、事前に事業主に対して申請を行う必要があります。この申請は、休業予定日の2週間前までに書面で申し出ることが求められます。
賃金は事業主の判断により支払いの有無が決まりますが、支給されない場合でも雇用保険の条件を満たしている
労働者は
介護休業給付金を受け取ることが可能です。また、事業主は
介護休業の申請を拒否することができません。
介護休業の対象となる労働者
介護休業を取得できる
労働者は、一定の条件を満たす必要があります。具体的には、日々雇用される者を除き、雇用契約を結んでいる
労働者が対象です。また、要
介護状態にある親族としては、
配偶者、父母、子供、
配偶者の親などが含まれます。
介護休業の取得要件
介護休業を取得するには、申請する対象者が次の要件を満たさなければなりません。
- - 対象家族が要介護状態にあり、2週間以上継続して介護が必要であること
- - 事業主に対して介護休業の申請を行うこと
事業主は、申請を受けた場合、特段の理由がない限りこれを拒むことはできません。ただし、1年間の雇用期間が満たない場合や、病気などにより雇用契約が終了することが明らかな場合、または1週間の所定
労働日数が2日以下の
労働者については
介護休業を認めないことができます。
介護休業の日数と手続き
介護休業は、同じ対象家族について1回の要
介護状態ごとに93日まで取得できます。また、これらの休業日数は複数回に分けることも可能です。休業の申し出にはいくつかの情報を明確に記載する必要があり、例えば休業開始予定日や終了予定日、
介護が必要な対象家族の情報などが求められます。
申請が適正に行われた場合、事業主はこれに対して拒否することができません。また、
介護休業中の
労働者に対して
解雇や不利益な取扱いを行うことは法律で禁止されています。
介護休業給付金制度
介護休業中の
賃金については、雇用主に支払義務がないため、給与が支給されない場合には
介護休業給付金を受けることが可能です。この給付金は、支給要件を満たすことが必要であり、具体的には過去2年間の雇用保険の加入状況などが基準となります。
まとめ
介護休業は、家族の
介護に専念するための重要な権利であり、法律によって保護されています。
労働者が自身の生活と仕事を両立させるためには、適切な手続きを経てこの制度を活用し、要
介護の親族との時間を大切にすることが重要です。