伊能忠敬記念館

伊能忠敬記念館について

伊能忠敬記念館は、千葉県香取市に位置し、日本地図の作成者として知られる伊能忠敬の功績を顕彰する施設です。伊能家の所蔵品を基に、忠敬の生涯や測量技術、そして作成された地図に関する貴重な資料を展示しています。

歴史

記念館の起源は、伊能家の子孫から佐原市に寄贈された伊能忠敬ゆかりの品々を収蔵するために、1961年に旧宅の隣に建てられた収蔵庫に遡ります。その後、1998年には、小野川の対岸に鉄筋コンクリート製の新たな記念館が建設され、現在に至ります。この新館は、重要伝統的建造物群保存地区に指定された佐原の町並みに配慮し、町家や土蔵を模した外観が特徴的です。

館内の展示

館内に入ると、まず目に飛び込んでくるのは、測量に同行した青木勝次郎が描いた『伊能忠敬肖像画』（複製）です。この肖像画には、忠敬が商人から武士へと身分を変えた様子が描かれており、上部には儒学者・久保木竹窓による賛が添えられています。

展示室では、伊能図とランドサットによる日本全図を交互に映し出す展示により、伊能図の驚くべき正確さを実感することができます。また、江戸時代の佐原の繁栄ぶりや伊能家の歴史を紹介するコーナーも設けられています。

高瀬舟の模型や解説を通じて、江戸との物資流通を支えた高瀬舟の役割を学ぶことができます。さらに、50歳で隠居後に天文学と暦学を学び始め、幕府の役人として全国測量を行った忠敬の足跡を、当時の資料や書物と共に辿ることができます。

展示のハイライトは、伊能図の数々です。大図、中図、小図、特別図など、多岐にわたる伊能図を鑑賞することができ、その緻密さと美しさに圧倒されます。また、伊能図以前の日本地図や佐原の様子を知ることができるコーナーも興味深い内容となっています。

その他、館内では伊能忠敬の生涯を紹介するビデオも上映されており、50歳を超えてから夢を実現した忠敬の生き様を学ぶことができます。

国宝「伊能忠敬関係資料」

伊能忠敬記念館が所蔵する2,345点の『伊能忠敬関係資料』は、2010年に国宝に指定されました。この資料群は、地図・絵図類、文書・記録類、書状類、典籍類、器具類で構成され、伊能忠敬の偉業を物語る貴重な文化財です。

利用案内

• - 開館時間: 9:00 - 16:30
• - 休館日: 月曜日（祝日の場合は開館）、年末年始
• - 入館料: 大人500円、小・中学生250円
• - 団体割引: 15名以上で大人450円、小・中学生200円

アクセス

• - 電車: JR成田線佐原駅下車徒歩10分
• - 自動車: 東関東自動車道佐原香取インターチェンジから15分

参考文献

• - 『伊能忠敬記念館』佐原市、1971年。
• - 『国宝 伊能忠敬関係資料』伊能忠敬記念館、2022年7月30日。
• - 「地図ニュース (309)」『地図ニュース』第309号、日本地図センター、1998年6月。
• - 利根川文化研究会「利根川文化研究 (23)」『利根川文化研究』第23号、2003年3月。

外部リンク

• - 伊能忠敬記念館 - 香取市公式サイト

伊能忠敬記念館は、伊能忠敬の偉業を肌で感じることができる貴重な場所です。佐原の歴史的な町並みと共に、ぜひ訪れてみてください。

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