体重超過

体重超過：競技における体重制限と罰則の現状

体重超過とは、ボクシング、総合格闘技、柔道など、体重別階級制を採用する競技において、規定された計量時刻までに定められた体重を下回れなかった状態を指します。計量オーバー、計量失敗、体重オーバーなどとも呼ばれます。

体重超過の扱いについては、アマチュアとプロ、競技の種類、そして開催団体などによって大きく異なります。アマチュア競技では、体重超過は原則として失格となり、試合が中止となるケースがほとんどです。一方、プロ競技では、試合の中止は非常に稀であり、選手間やプロモーター間の協議を経て、罰金やファイトマネー没収などの制裁を科した上で試合が続行されることが一般的です。

ボクシングにおける体重超過

プロボクシングでは、試合前日（ヘビー級は2日前）に計量が行われ、選手は制限体重以下に体重を落とす義務があります。計量に失敗した場合、数時間の猶予が与えられ再計量が行われますが、それでも体重超過の場合は、選手間とプロモーター間の協議により、制裁（ファイトマネー没収など）を科した上で、制限体重の変更や試合続行が行われるのが一般的です。ただし、相手選手陣営が試合を拒否したり、悪質な体重超過や重要性の低い試合でない限り、試合が中止されることはほとんどありません。

世界タイトルマッチでは、王者または挑戦者の体重超過によって、王座の剥奪、挑戦権の剥奪、ノンタイトル戦への変更など、様々なケースが想定されます。勝敗に関わらず、王座の行方は団体によって異なるルールが適用されます。例えば、挑戦者が体重超過で勝利した場合、WBA、WBC、IBFでは王者が王座を維持しますが、WBOでは王座剥奪となります。

IBFは独自の当日計量を実施しており、前日計量から10ポンド以上の増量を禁じています。このルール違反も体重超過と同様の措置が取られます。しかし、2017年以降は、他団体王座との統一戦においては当日計量は免除されるようになりました。

日本のプロボクシングでは、2014年までは体重超過選手に重いグローブを装着させるグローブハンデが科せられていましたが、現在は廃止されています。現在では、体重超過に対する罰則として、制裁金やライセンス停止が科せられます。JBC（日本ボクシングコミッション）は、2018年に体重超過に関するルールを発表し、3%以上の超過は即試合中止、3%未満でも再計量で8%以上超過の場合は試合中止と定めていますが、国際タイトルマッチでは適用されない場合もあります。

総合格闘技における体重超過

総合格闘技では、ノンタイトル戦においては、制限体重の1ポンド（約0.454キロ）までの超過が認められる場合があります。超過した場合、制裁金が科せられ、制限体重が変更されることが一般的です。ONE Championshipは、選手の減量による健康被害を防止するため、尿比重の計測も行っています。

日本の総合格闘技団体では、体重超過に対する罰則として減点が科せられる場合があり、場合によっては試合結果がノーコンテストとなることもあります。

その他競技における体重超過

柔道では、国際大会では前日計量が行われ、当日無作為に選ばれた選手が再計量されます。体重超過は失格となりますが、団体や国によって、罰則の程度は異なります。

レスリングでは、試合前日にシングレット着用での計量が義務付けられ、超過は失格となります。一部大会では2kgまでの超過が認められる場合もあります。

ウエイトリフティング、アームレスリング、テコンドー、空手道など、他の競技でも体重超過に対するルールが存在し、失格や罰則が科せられます。それぞれの競技団体によってルールや罰則は異なります。

プロレスでは、ルチャリブレのように、体重制限が厳格に適用される場合があり、体重超過による王座剥奪の事例もあります。

まとめ

競技における体重超過は、アマチュアとプロ、競技の種類、団体によって、対応が大きく異なります。体重超過による罰則は、失格から罰金、ライセンス停止、王座剥奪まで様々です。それぞれの競技団体が定めるルールを理解し、適切な減量を行うことが重要です。また、選手自身の健康状態にも配慮した適切な減量方法の選択が求められます。

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