侍戦隊シンケンジャー

侍戦隊シンケンジャー

『侍戦隊シンケンジャー』は、2009年2月15日から2010年2月7日までテレビ朝日系列で放送された、全49話からなる特撮テレビドラマである。本作は、侍をテーマにした初のスーパー戦隊シリーズで、プロデューサーの宇都宮孝明が「和風の戦隊」のコンセプトを掲げて制作された。そして、キャッチコピーは「天下御免!!」であった。

モチーフとストーリー

本作は武士の精神や上下関係を基盤にしたストーリーで、戦隊メンバーが明確に家族的な役割を持つ。主人公のシンケンレッドである志葉丈瑠を中心に、家臣たちが集まり、あの世の妖怪「外道衆」との戦いに挑む。彼らは「モヂカラ」と呼ばれる特殊な力を使って戦い、300年前から続いてきた妖怪との戦いを引き継ぐ形で物語が展開される。

登場キャラクター

シンケンジャーのメンバーは、志葉丈瑠がレッド役を務め、池波流ノ介（ブルー）、白石茉子（ピンク）、谷千明（グリーン）、花織ことは（イエロー）、梅盛源太（ゴールド）と、各キャラクターの背景が職業や性格として描かれている。特に丈瑠は、冷静で落ち着いた性格としてリーダーとしての資質を持ち、他のメンバーとの関係を描くことで群像劇的要素も強い。

戦隊の装備と技

シンケンジャーにおいて、キャラクターたちの変身アイテムは、折りたたみ式の携帯電話型「ショドウフォン」と呼ばれる道具で、それを用いてモヂカラを発動させる。各メンバーは特色ある武器を持っていて、例えばシンケンレッドの「烈火大斬刀」や、シンケンブルーの「ウォーターアロー」、シンケンピンクの「ヘブンファン」などである。これらの武器を駆使して、個々の必殺技を放つ。

撮影技術とスタイル

本作では、従来のフィルム撮影とオールアフレコを廃し、最新のデジタルシネマカメラを用いた撮影スタイルが取り入れられた。これにより、よりリアルなアクションや演出が追求され、時代劇のようなチャンバラアクションが特徴的である。また、アクションシーンでは、敵との戦闘を非常にリアルに表現するため、斬られたら死ぬというリアリティが重視されている。

クラシックな和の要素

シンケンジャーのデザインやストーリーには、伝統的な和の要素が多数散りばめられている。本作の戦隊スーツは着物をモチーフにしたデザインが施され、マスクにも漢字の要素が強く込められている。また、折神と呼ばれるロボットたちは折り紙をイメージして作られており、これらが合体することで侍巨人が形成される仕組みとなっている。

音楽と主題歌

主題歌はサイキックラバーが担当し、またエンディングテーマも高取ヒデアキが歌唱するなど、音楽面でも高い評価を得ている。放送当時は、主題歌に加え、エンディングテーマも多くの視聴者に親しまれた。

『侍戦隊シンケンジャー』は、その独創的なコンセプトとストーリーで、多くのファンを魅了した作品であり、以後のスーパー戦隊シリーズにおいても大きな影響を与えた。

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