保々駅

保々駅（ほぼえき）

三重県四日市市小牧町に位置する、三岐鉄道三岐線の駅です。駅番号はS06が割り当てられています。

路線の運行を支える中枢

保々駅は、三岐鉄道三岐線の運行体制において非常に重要な役割を担っています。駅構内には広大な車両区や施設区が設けられているほか、列車の運行全体を管理・統括するコントロールセンターも置かれており、路線の運営における中枢機能を果たしています。

歴史

当駅は、1931年（昭和6年）7月23日に、当時の三重郡保々村に開業しました。

特徴的な駅構造

駅は地上にあり、島式のホームが一本配置され、両側に線路が敷かれた1面2線の構造を持っています。下り列車が使用する本線には、保々車両区から出庫する線路が合流しています。また、構内には旅客列車の待避に利用される貨物本線が設けられており、この線路には上下いずれの方向からも列車が進入できるようになっています。

信号設備の配置にも特徴が見られます。例えば、車両区から出庫して上り方面（近鉄富田行き）となる列車は、下り本線側の線路から発車するため、通常は下り列車用の下り本線にも上り方面への出発を指示する信号機が設置されています。同様に、当駅で車両の交換が行われる列車の場合、交換後の下り列車が上り本線側の線路から発車することがあり、そのために上り本線側にも下り方面への出発信号機が設けられています。さらに、貨物列車が駅を通過する運転形態に対応するため、場内信号機には通過信号機が併設されています。

運転上は主要駅である一方、旅客案内上は「特殊勤務駅」とされており、利用者がいない早朝や夜間は駅係員が配置されない無人時間帯があります。

旅客用のホームには、特定のホーム番号は割り当てられていません。

ダイヤの特徴

三岐線の一部の定期列車は、当駅と近鉄富田駅の間を結ぶ区間運転列車として設定されています。また、車両が検査を受けた後の試運転列車は、当駅と伊勢治田駅の間を往復する形で運行されており、伊勢治田駅では貨物本線を使用して折り返しを行います。

大雨や大雪などの悪天候時には、当駅を境として西藤原駅方面への運転が見合わせられることが多く、このような場合は保々駅と近鉄富田駅の間のみで限られた本数の列車が折り返し運転を実施する形で運行が維持されることがあります。

列車の乗務員（運転士）は当駅で交代することが一般的ですが、全線を担当する列車も存在します。ただし、車掌については、通常は当駅での交代は行われません。

利用状況

駅の一日平均乗車人員については、三重県が公表している「三重県統計書」に統計が示されています。

駅周辺

駅の周辺には田畑が広がるのどかな風景が見られますが、駅の裏手（朝明川に近い側）には製袋工場が立地しています。駅から少し南に離れた場所には新名神高速道路が通り、その高速道路に沿って亀山方面へ進むと、三重県立朝明高等学校があります。この高校の設立にあたっては、三岐鉄道が土地の譲渡などの誘致活動に関わりましたが、高校自体は駅からやや離れた場所に位置しています。

小学校や中学校といった教育施設は駅の北西側にあり、そのさらに北側には朝明川が流れています。かつては駅の西側に、はかりに関する博物館である「秤乃館」がありましたが、こちらは2014年（平成26年）3月30日に閉館しました。なお、駅の付近にはバス停留所は設置されていません。

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