保土ケ谷公園

神奈川県立保土ケ谷公園

横浜市保土ケ谷区に位置する神奈川県立保土ケ谷公園は、神奈川県で初めて指定された都市公園の一つであり、特に運動施設が充実した総合公園として知られています。その歴史は古く、1949年に野球場が完成したことを契機に、運動公園としての整備が進められ、1957年に現在の形に近い形で開園しました。運営は神奈川県が行っていますが、公園の管理業務は指定管理者制度に基づいて選定された法人が担っています。

園内には多種多様な施設が整備されており、スポーツ活動の中心地として機能しています。主な運動施設としては、硬式野球場、軟式野球場、少年野球場と、複数の野球場を備えるほか、サッカー場、ラグビー場といった球技場、さらにテニスコート、運動広場、プール、体育館など、幅広い種目に対応できる施設が揃っています。これらの施設は、アマチュアスポーツの大会や地域のレクリエーション活動に広く利用されています。また、運動施設だけでなく、文化活動のためのかながわアートホールや、子ども向けの遊具、アスレチック施設もあり、多様なニーズに応えています。

公園の象徴的存在となっているのが「シンフォニー広場」です。この広場は、公園全体の景観の中核となるよう、綿密な計画のもと設計されました。エントランスからの連続性を重視し、広大な池と広場が一体となったデザインは、訪れる人々に印象的な空間体験を提供します。広場の一角には人工的な滝が設けられ、そこから水が奥へと流れ込む親水空間が広がります。水の流れに沿って配された列柱は空間にリズムを与え、訪れる人々が水辺で憩い、触れ合える場となっています。シンフォニー広場は、約0.95ヘクタールの広さを持ち、約7億円の総工費をかけて1990年9月から1992年3月にかけて整備されました。設計はL.A.U都市施設研究所、施工・造園は神光企業や相武造園土木などが担当し、設備はウォーターデザインが手掛けました。この広場は、公園に新しい魅力をもたらすとともに、コンサートやイベントなど、多様な目的での利用を可能とすることを目指して造られたもので、ここでは、人々、緑、水などが織りなす「交響曲（シンフォニー）」が奏でられているかのようであると言えます。

また、この公園は「花見台」という地名が示す通り、神奈川県内でも有数の桜の名所としても知られています。春の開花期には、園内に植えられた多くの桜が見事に咲き誇り、美しい景観を作り出します。この時期には、多くの花見客が訪れ、園内は賑わいを見せます。四季折々の自然を楽しむことができるのも、保土ケ谷公園の大きな魅力の一つです。

公園へのアクセスは、公共交通機関を利用するのが便利です。横浜市営バス25系統を利用する場合、横浜駅西口や保土ケ谷駅西口方面からは「保土ケ谷野球場前」停留所または「花見台」停留所が最寄りとなります。相模鉄道バスの東戸塚駅西口発藤塚町循環線では「公園橋」停留所が利用できます。鉄道を利用する場合、相模鉄道星川駅からは徒歩圏内ではありますが、道のりは15分以上かかり、特に急な坂道を含むため注意が必要です。

神奈川県立保土ケ谷公園は、スポーツ、文化、自然を楽しむことができる、地域にとって重要な緑地空間です。多くの人々にとって、憩いと活動の場として親しまれています。

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