信書便

信書便の概要

信書便（しんしょびん）は、日本における信書の民間送達サービスを指し、これは信書便法に基づいて運営されています。この法律により、信書の送達が民間事業者によっても行えるようになり、従来の国営郵便サービスに依存しない新たな信書送達の枠組みが整備されました。

定義と法律

信書便法第2条第2号では、信書便を「他人の信書を送達すること（郵便に該当するものを除く）」と定義しています。このため、信書とは手紙や、契約書、通知など、特定の内容を伝達するために作成された書類を指し、郵便と異なり、民間によって行われる送付方法となっています。

制度の成り立ち

この制度は2003年4月1日から施行され、日本郵政公社の発足と同時に導入されました。それ以前は、信書の送達業務は国が独占していましたが、信書便法の施行により、民間事業者も参入できるようになりました。この変化により、郵便事業の多様化が進み、民営化された事業者たちとともに競争が生まれています。

信書便事業は主に「一般信書便事業」と「特定信書便事業」の2つに分類されます。事業を行うには、総務大臣からの許可を取得し、信書便約款と管理規程の認可を受ける必要があります。

一般信書便事業

一般信書便事業は、全国において、信書の長さ、幅、および厚さが規定内（長さ40cm、幅30cm、厚さ3cm以下、重さ250g以下）であり、原則として4日以内に配達されるサービスです。この事業は日本[[郵便]]の第一種および第二種郵便物に相当しますが、許認可を得るためには、信書便差出箱（郵便ポストに相当）を一定数設置し、適切な事業計画を提出する必要があり、この要件から一般信書便事業を行う業者は少ないのが現状です。

特定信書便事業

特定信書便事業は、多種多様なサービスを提供する信書送達サービスです。この事業の運営には、信書便法第2条第7項に列挙された役務のいずれかを満たすことが求められます。具体的には、長さ、幅、厚さの合計が73cmを超えたり、重さが4kgを超える信書便物の送達、差し出されてから3時間以内に送達など、多様なオプションが用意されています。また、料金も800円を超える信書便物の送達が含まれるため、従来のバイク便や電報といったサービスに類似したものとなっています。

変遷と現状

信書便制度は2003年に導入され、数回の改正を経ています。特に2015年には特定信書便事業の要件が緩和され、一般信書便事業の配達方法や時間も見直されました。また、2021年には一般信書便事業の配達日数も延長され、前の制度からの変化が見られます。これにより、民間事業者による信書の送達がさらに普及し、利用者のニーズに応じたサービスが提供されています。

まとめ

信書便は、民間企業による信書の送達を可能にする制度であり、一般信書便事業と特定信書便事業という2種類のカテゴリーに分かれています。民営化が進む中、信書便法の下での多様なサービスが、国の独占から解放された新しい時代を迎えています。信書便の運営には厳しい基準がありながらも、それに対応する形で様々な事業者が競う環境が整ってきています。

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