傷物語

『傷物語』（キズモノガタリ）

概要

『傷物語』は、西尾維新による青春怪異小説で、イラストはVOFANが担当しています。本作は物語シリーズ第2弾であり、2008年5月に講談社BOXから刊行されました。物語は現代日本を舞台に、吸血鬼となった阿良々木暦の成り行きを描いています。前作『化物語』の主要登場人物や舞台設定を引き継ぎつつ、彼の「春休み」の出来事が中心となっています。

物語のストーリーでは、前作に登場した人物たちの関係性や背景に新たな光が当てられ、さらにバトルシーンが強調されています。本書は『化物語』に続く前日譚として位置づけられ、2008年には特別版も発売されています。とりわけ本作のパッケージイラストには、吸血鬼であるキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードが描かれ、視覚的にも印象強い作品です。

あらすじ

物語は、私立直江津高校に通う高校生・阿良々木暦が春休みに同級生・羽川翼のパンチラを見かけたことから始まります。彼はその後、帰宅途中に瀕死の女吸血鬼キスショットに遭遇します。命乞いをする彼女を見て、情に絆された暦は、彼女に血を与え命を助けることを決断します。その結果、暦自身も「吸血鬼の眷属」となり、後に彼の運命は大きく変化します。

吸血鬼となった暦は、昼間外出した際に太陽の光にやられ、キスショットが彼を救う場面も描かれます。さらに、謎の男・忍野メメが現れ、彼らが住む場所や次の展開を取り計ることになります。暦はメメから吸血鬼ハンターとの戦いを告げられ、過酷な運命に挑むことになります。

戦いの日々の中で、暦は再び翼と出会いますが、自分の運命に対する苛立ちから彼女を突き放します。しかし、翼はそれでも諦めず、協力を申し出ます。このように、暦の生活には友情、戦い、そして葛藤が入り混じります。最終的に、彼は吸血鬼ハンターとの戦いに立ち向かい、キスショットを完全に復活させることが求められますが、そこには予期せぬ展開が待ち構えていました。

物語のクライマックスでは、暦はキスショットとの戦いを余儀なくされます。この戦いを通じて自らの存在意義を問うことになり、最終的に彼女を殺せるのは自分だけだと気づきます。また、メメからの提案によって、二人は人間と吸血鬼の中間的な存在に変わる選択をします。

登場キャラクター

• - 阿良々木 暦

- 声: 神谷浩史
- 直江津高校の男子生徒で、友達を作ることを避けていたが、羽川と出会い彼女との友情が彼の人生に変化をもたらします。

• - 羽川 翼

- 声: 堀江由衣
- 学校の優等生であり、暦との出会いが彼女の運命も変えていく重要なキャラクターです。

• - キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード

- 声: 坂本真綾
- 美しい外見を持つ吸血鬼であり、暦との運命的な出会いが物語の中心にあります。

• - 忍野 メメ

- 声: 櫻井孝宏
- 暦とキスショットの間を取り持つ謎の男で、彼らをサポートしながら繊細な調整役を担っています。

本作内には、他にも多くの魅力的なキャラクターが登場し、彼らの絡み合う物語が織りなします。『傷物語』は人間の心理と吸血鬼の葛藤を描いた深いストーリーであり、登場人物たちの感情や成長を細やかに表現する作品となっています。

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