全国古民家再生協会

一般社団法人全国古民家再生協会（ぜんこくこみんかさいせいきょうかい）

一般社団法人全国古民家再生協会は、「未来を担う子ども達のために、持続可能な循環型の建築社会を築く」という理念のもと、古い民家の再利用や空き家の活用を推進する目的で設立された団体です。この協会は、全国各地で活動する古民家鑑定士、伝統再築士、建築士、そして建築業登録を済ませている事業者などの専門家で構成されています。

設立と組織

協会の起源は、2011年2月17日に設立されたグリーン建築推進協議会に遡ります。その後、法人化への移行を経て、2015年3月20日に現在の一般社団法人全国古民家再生協会としてあらためて発足しました。組織は全国に広がり、各都道府県に支部が設けられています。これらの支部組織が集まって協会全体を形成しており、それぞれの支部では、内閣府が認可する一般財団法人職業技能振興会から認められた「古民家再生協会」が事務局機能を担い、運営にあたっています。

主な活動内容

全国古民家再生協会は、貴重な文化遺産ともいえる古民家を未来へ継承するための様々な活動に取り組んでいます。その中心となる活動の一つが、会員である古民家鑑定士による専門的なインスペクション（建物調査）業務です。この調査では、古民家が今後も利用可能であるか、どのような状態にあるかを詳細に評価し、その結果に基づいて古民家を維持・再生するための具体的な提案を行います。これにより、単なる古い建物としてではなく、その価値を正当に評価し、次の世代に引き継いでいく道筋を示しています。

また、古民家が抱えがちな課題、例えば地震に対する安全性への懸念、室内の寒さや暗さといった居住性の問題、さらには適切な維持管理の方法やメンテナンス計画の不明確さといったデメリットを克服するための取り組みも重要視しています。協会内の再築基準検討委員会では、これらの課題を解決し、より多くの人々が古民家での暮らしを快適に享受できるよう、古民家の再築（改修）に関する詳細なガイドラインを策定しています。このガイドラインは、古民家の特性を活かしつつ、現代の生活水準や安全基準に適合させるための重要な指針となっています。

新たな取り組み：古民家の民泊利用推進

協会の活動は、伝統的な古民家の再生・活用に留まらず、現代の社会ニーズに応じた新たな取り組みも積極的に行っています。特に、2018年6月に施行された住宅宿泊事業法（民泊新法）に合わせて、古民家を宿泊施設として活用する取り組みを推進しています。この事業では、楽天グループの民泊事業部門である楽天ライフルステイや、民泊仲介サービスを提供するエクスペディアの子会社ホームアウェイといった企業と連携。古民家を民泊施設として整備・提供することで、増加する訪日外国人旅行者に対し、日本の伝統的な建築空間や文化を体験できる unique な宿泊機会を提供することを目指しています。これは、遊休状態にある古民家に新たな収益源と活気をもたらし、その維持・存続を支援する効果も期待されています。

これらの活動を通じて、一般社団法人全国古民家再生協会は、古民家という日本の貴重な財産を未来に引き継ぎ、持続可能な地域社会の実現に貢献しています。

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