兵庫県立西はりま天文台公園

兵庫県立西はりま天文台公園

兵庫県立西はりま天文台公園は、兵庫県佐用郡佐用町に位置していた、かつての生涯学習施設および公園の名称です。1990年に開園し、「宇宙と人間」をテーマに掲げ、天文学習と自然体験を融合させたユニークな施設として多くの人々に利用されました。広大な敷地には、天文台を中心とした多様な施設が整備され、来訪者に学びと憩いの機会を提供していました。

この施設の名称は、2012年3月をもって終了しました。翌4月からは組織改編が行われ、施設全体が兵庫県立大学自然・環境科学研究所へと移管されるとともに、名称が「天文科学センター」へと改められました。

施設概要

公園の中心となるのは、西はりま天文台です。この天文台には、口径200センチメートルの反射望遠鏡「なゆた」が設置されており、これは一般に公開されている望遠鏡としては世界でも最大級の規模を誇ります。来訪者はこの巨大な望遠鏡を通して、夜空の天体を観察したり、宇宙の神秘に触れる貴重な体験をすることができました。天文台は単なる観測施設ではなく、宇宙科学への理解を深めるための学習拠点としても重要な役割を担っていました。

天文台の周囲には、快適な滞在をサポートする宿泊施設が完備されていました。家族向けのロッジは6部屋あり、定員は30名（延床面積423.2m²）でした。一方、グループ向けのロッジは8部屋を備え、定員は120名（延床面積772.5m²）と、大人数での利用にも対応していました。これらの宿泊施設は、遠方からの来訪者や、夜間の天体観測を希望する人々に便利に利用されていました。

食事施設としては、120席を備えた食堂兼ホールや、40席のレストラン「カノープス」があり、来訪者の食事や休憩のニーズに応えていました。また、広々としたイベント広場や美しい花畑は、散策やレクリエーションに最適な場所でした。

公園の敷地内には、豊かな自然を巡る自然散策道が整備されており、四季折々の風景を楽しみながらウォーキングやハイキングができました。さらに、デイキャンプ場、フィールドアスレチック、キャンプファイヤー場なども設けられており、多様なアウトドア活動を楽しむことが可能でした。

教育的利用

兵庫県立西はりま天文台公園は、教育の場としても積極的に活用されていました。特に、兵庫県下の多くの小学校では、5年生を対象とした学校行事である「自然学校」が行われており、本施設はその重要な実施場所の一つでした。子どもたちは、天文観察や自然の中での様々な体験活動を通じて、協調性や自然への理解を深める貴重な学びの機会を得ていました。

所在地とアクセス

かつての兵庫県立西はりま天文台公園、現在の天文科学センターは、〒679-5313 兵庫県佐用郡佐用町西河内407-2に位置しています。公共交通機関を利用する場合、JR姫新線または智頭急行の佐用駅からタクシーでおよそ15分程度の距離にあります。

兵庫県立西はりま天文台公園は、天文学への探求心を満たし、豊かな自然の中でリフレッシュできる施設として、多くの人々に愛されていました。名称は変わりましたが、その機能と精神は「天文科学センター」として引き継がれ、現在も天文学の研究・教育拠点として活動を続けています。

※本記事は「兵庫県立西はりま天文台公園」という名称であった期間の情報に基づき記述しています。

もう一度検索