出雲ドーム

出雲ドームの概要

出雲ドーム（いずもドーム）は、島根県出雲市の出雲健康公園内に位置する多用途のドーム施設で、出雲市が所有し、NPO法人出雲スポーツ振興21が運営しています。1992年に出雲市の市政50周年を記念して建設されたこの施設は、そのユニークなデザインと構造で知られています。

歴史的背景

出雲ドームの建設は1990年に始まり、1992年に竣工しました。設計および施工は、木造構造の専門家である鹿島設計と鹿島建設が手掛けました。出雲大社がある地域性を反映し、古代の木造建築の美しさを再現することを目指して、木材とテフロン膜、スチールを組み合わせたハイブリッド構造が採用されています。

特に注目すべきは、出雲ドームが世界最大規模のハイブリッド膜ドームである点です。この構造には、米国オレゴン州産のベイマツが使用され、綿密な加工と輸送を経て出雲市に導入されました。更に、施工時には「プッシュアップ工法」が用いられ、軽量の木材を活かして一度に屋根を持ち上げる作業が行われました。

設計と構造

出雲ドームの構造は、日本の伝統的な和傘の「蛇の目傘」を参考にしており、36本のアーチ材が放射状に配置されています。これにより、広々とした空間を実現しつつ、美しいデザインが施されています。ドーム内のグラウンド面積は11,140平方メートルで、様々なスポーツイベントに対応可能です。

利用と機能

出雲ドームは、軟式野球やサッカー、ラグビー、ソフトボールなどの屋外球技に加え、コンサートやプロレス興行など多様なイベントにも使用されています。毎年10月には、出雲全日本大学選抜駅伝競走のゴール地点としても知られています。また、島根県のサイクリングモデルコースのスタート、ゴール地点でもあります。施設は他にも、健康センターや多目的運動場などが併設されており、地域の健康促進活動にも寄与しています。

施設の特徴

出雲ドームの屋根は、木質系の立体張弦アーチ構造であり、最も高い部分で53.9メートルに達します。屋外の環境に配慮し、外壁にはポリカーボネート製のジャロジーが使用されています。収容人数は、座席ありで2,500人、さらに最大5,000人まで対応可能。また、人工芝が敷設されたグラウンドは、野球や陸上競技、サッカーに使用されるため、柔軟な施設運営が行われています。

地域との関わり

出雲ドームは「もくもくドーム」とも呼ばれ、地域の皆様に親しみを持たれています。この愛称は木造の構造と出雲国に由来するもので、地域の特色を反映しています。ドーム内には、地元のスポーツ選手に関する資料や記念品も展示されており、訪れる人々に地域のスポーツ文化を伝えています。出雲ドームは、地域コミュニティの生活や文化を豊かにする要素として、今後も重要な役割を果たしていくことでしょう。

アクセス

出雲ドームへの交通アクセスは市中心部からも良好で、出雲市駅からタクシーで約10分の距離です。これにより、多くの来場者が簡単に訪れることができます。

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