函館市文学館

函館市文学館は、北海道函館市末広町に位置する文学館です。主に函館市にゆかりのある作家、特に石川啄木に関連する貴重な資料約250点を収蔵・展示しています。

歴史

文学館の建物は、1921年（大正10年）に第一銀行函館支店として竣工しました。設計は西村好時と八木憲一が手掛け、清水組が施工を担当しました。1964年（昭和39年）に第一銀行函館支店が移転した後、北日本信用販売株式会社（現在の株式会社ジャックス）が建物を購入し、本社社屋として使用しました。1989年（平成元年）にジャックスから函館市に建物が寄贈され、1993年（平成5年）に函館市文学館として開館しました。2013年（平成25年）には、老朽化していた中庭テラスが修繕され、夏季限定で一般開放されています。

建物

煉瓦および鉄筋コンクリート造の3階建てで、花崗岩と茶色のタイルが調和した美しい外観が特徴です。文学館として開館する以前に改修・修復工事が施されており、函館市の「景観形成指定建築物」（第41号）に指定されています。歴史的建造物としての価値も高く評価されています。

展示

館内は1階と2階が展示室となっており、函館ゆかりの作家たちの原稿や筆記用具などが常設展示されています。特に、函館市中央図書館所蔵の石川啄木コレクション「啄木文庫」の直筆資料は、期間を区切って入れ替えながら展示されています。啄木の息遣いを間近に感じられる貴重な機会です。

アクセス

最寄りの駅は函館市電「末広町」駅です。駅から徒歩圏内なので、気軽に立ち寄ることができます。

函館市総合ミュージアム（仮称）構想

2022年（令和4年）に函館市は、函館市文学館、市立函館博物館、市立函館博物館郷土資料館（旧・金森洋物店）、函館市北方民族資料館、函館市北洋資料館を集約する計画を公表しました。今後の動向が注目されます。

函館を訪れた際には、ぜひ函館市文学館に足を運び、文学と歴史に触れてみてください。

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