創政会

創政会の成立とその背景

創政会（そうせいかい）は、1985年に自由民主党の田中派内で設立された勉強会であり、竹下登を会長に擁立した派中派です。この名称は、竹下が発行していた機関紙『創政』に由来しています。創政会は経世会（竹下派）の起源となっており、田中派の誕生の背景には複雑な政治情勢がありました。

沿革の概説

1984年における田中派の状況

1984年、田中派は121名を超える党内最大の派閥でしたが、その急成長により、内部のコミュニケーションが悪化していました。田中角栄の退陣から10年経つも、事実上の首相候補を自派から排出できない状況が続いており、他派閥からの議員を重用することにも不満の声が高まっていました。このような中、次期総裁選の行方が注目され、田中派内では新たな動きが見え始めていました。

二階堂擁立劇と派内の亀裂

1984年10月末に中曽根康弘の総裁任期が切れる前後、二階堂進が公明党・民社党の支持を受けて総裁選に出馬しようとするも、その意見がまとまらず、田中派内での分裂が進行しました。田中は最終的に二階堂の出馬に反対し、中曽根が再選する結果となりました。田中派での権力の低下が鮮明になり、竹下を支持する若手議員たちが集まり、新たなグループを形成する動きが進行します。

創政会の設立と初会合

1984年12月、竹下とその仲間たちは、今後の自民党総裁選での竹下擁立に向けて会合を開くことに決まりました。1985年1月には、竹下が率いる25名の会合が行われ、勉強会の設立が正式に決定されました。その名も『創政会』です。

竹下登と田中角栄の発言

田中は、竹下が新たな勉強会を立ち上げたいと申し出た際、「いいだろう」と快諾。竹下はその意図を秘めており、後に彼がクーデターを起こしたと広く認識されるようになります。1985年1月27日、竹下は田中に直接会い、創政会の承認を得ますが、田中自身は後の展開を予測できていませんでした。

創政会の結成とその影響

1985年2月7日、創政会の設立総会が開催されました。当初の参加者は83人にのぼりましたが、田中派の圧力によって最終的には40名となりました。それでも、この40名は田中派における重要な議席を構成していました。参加者の中には、衆議院の議員29名、参議院の議員11名が含まれており、新たな力の発信が期待されました。

一方で、創政会設立による田中の怒りは収まらず、彼は猛烈な飲酒を続け、アルコールに溺れていきました。田中は、心配のあまり自らの政権の崩壊を迎えることになります。1985年2月27日、脳梗塞で倒れ入院し、彼の政治人生が突如として終焉を迎えることになります。

創政会解散とその後

創政会は1986年4月25日、54人を数える時点で解散します。その後、田中派内では竹下を推す勢力と二階堂の勢力が対立し、1987年には竹下新派閥・経世会が成立しました。

創政会の結成は、田中政権の影響力を根本から揺さぶるものであったと同時に、竹下の指導力を際立たせる重要な出来事となりました。主な立ち上げメンバーである小沢一郎や羽田孜たちは、その背景にある政治的な意図や田中との関係について、様々な思いを抱えていました。

この一連の動きは、日本の政治史における重要な転換点となり、特に自民党内での権力闘争として広く語り継がれることとなりました。

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