原田裕規

原田裕規（はらだ ゆうき）

原田裕規は、日本の現代アーティストで、1989年10月15日に山口県で生まれ、岩国市と広島市で育ちました。2013年には武蔵野美術大学の造形学部芸術文化学科を卒業し、さらに2016年には東京藝術大学大学院の美術研究科修士課程で先端芸術表現専攻を修了しました。その後、2019年からはハワイでの活動を行いながら、多様なアートプロジェクトに取り組んでいます。

初期の活動

原田は2012年、武蔵野美術大学在学中に「ラッセン展」や「心霊写真展」など、話題を呼ぶプロジェクトを企画しました。彼の作品は、観客に対して考えるきっかけを与えることを目的としており、特に「One Million Seeings」では24時間にわたって同じ写真を見続ける体験を提供し、「Waiting for」では生き物の声を33時間にわたり朗読するという、長尺にわたるインスタレーションを発表しました。これらの作品は、持続する時間の中で人々がどう感じるかを探求しています。

身体と文化の交差点

2022年以降、彼は広島や山口からハワイに移住した日系アメリカ人の混合文化に関する作品に焦点を当てています。彼のアートは、移民としての体験や文化的交差点の探求を基盤にし、これにより観客に新たな視点を提供しています。2023年には、東京で行われたTERRADA ART AWARD 2023でファイナリストに選出され、神谷幸江賞を受賞するなど、ますます注目されるアーティストとして位置づけられています。

個展および展示歴

これまでの彼の個展には、2023年に開催された「やっぱり世の中で一ばんえらいのが人間のようでごいす」（日本ハワイ移民資料館）、および「KAATアトリウム映像プロジェクト」（KAAT 神奈川芸術劇場）が含まれます。他にも、2022年には「Shadowing」（THE POOL）、さらに「Waiting for」（KEN NAKAHASHI）や広島市現代美術館での「どこかで？ゲンビ ビデオアート編 原田裕規」など、多岐にわたる展示会でその作品が紹介されています。

出版物と作品収蔵

原田は著作活動にも力を入れており、2024年に編著として『ラッセンとは何だったのか？［増補改訂版］』を発表予定です。また、2023年には『評伝クリスチャン・ラッセン 日本に愛された画家』、および『とるにたらない美術 ラッセン、心霊写真、レンダリング・ポルノ』を出版しました。ミュージアムやギャラリーには、彼の作品が広島市現代美術館や日本ハワイ移民資料館に収蔵されています。

まとめ

原田裕規のアートは、個人的な体験と文化の革新を織り交ぜながら発展しており、観客にとっても新しい発見をもたらすものです。その豊かな表現力と独創性は、今後のアートシーンにおいてますます重要な役割を果たすことでしょう。

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