原薫

原薫（はら かおる、1928年 - ）は、日本の経済学者、歴史学者であり、法政大学の名誉教授です。専門は近現代日本経済史、特にインフレーション研究です。神奈川県出身。

生い立ちと学歴

1928年に生まれた原薫は、1951年に法政大学経済学部を卒業しました。その後、1958年には同大学大学院社会科学研究科（経済学専攻）の博士課程を修了しました。さらに1978年には、経済学博士の学位を法政大学から授与されています。

職歴

1953年から1968年までの間、法政大学大原社会問題研究所の研究員として勤務しました。その後、1968年から1995年まで法政大学経済学部の教授として教鞭を執り、多くの学生を育成しました。

研究内容

原薫の研究は、特に日本のインフレーションに焦点を当てています。戦後日本のインフレーション、現代のインフレーション、そして戦時中のインフレーションといった、多岐にわたる時代におけるインフレーションの動態を詳細に分析し、そのメカニズムと経済への影響を明らかにしました。彼の研究は、インフレーションという経済現象を歴史的視点から捉え、現代経済を理解する上で不可欠な視点を提供しています。

著書

原薫は、数多くの著作を発表しています。単著としては、『日本の戦後インフレーション』（1968年）、『現代の通貨』（1990年）、『わが国の現代インフレーション』（1991年）、『戦後インフレーション　昭和20年代の日本経済』（1997年）、『現代インフレーションの諸問題　1985-99年の日本経済』（2001年）、『戦時インフレーション　昭和12～20年の日本経済』（2011年）などがあります。これらの著作は、日本のインフレーションの歴史と現状を理解するための重要な資料となっています。

また、遠藤茂雄との共著として、『貨幣論概要』（1978年）や『現代通貨論』（1984年）も執筆しており、貨幣理論についても深い知識を有していることがわかります。

研究の意義

原薫の研究は、インフレーションという経済現象を深く理解する上で非常に重要です。彼の分析は、過去のインフレーションの事例から教訓を引き出し、現代のインフレーション問題に対する理解を深めるための基盤となります。特に、戦後日本の経済復興期から高度経済成長期、そしてバブル崩壊後の経済停滞期におけるインフレーションの分析は、現代経済を理解する上で欠かせない視点を提供しています。原薫の研究は、経済学の研究者だけでなく、経済政策の立案者や一般の経済に関心のある人々にとっても、非常に価値のあるものです。

まとめ

原薫は、日本の経済学、歴史学において重要な役割を果たした研究者です。特にインフレーション研究における彼の貢献は大きく、その研究成果は、現代経済を理解する上で不可欠なものとなっています。法政大学の名誉教授として、後進の育成にも尽力し、多くの研究者や学生に影響を与えました。彼の研究は、今後も日本の経済史研究において、重要な参考文献となるでしょう。

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