台湾国家宇宙センター

台湾国家宇宙センター (TASA) の概略

台湾国家宇宙センター（TASA）は、中華民国の宇宙関連事業を統括する機関で、1991年に設立されました。この機関は、行政院国家科学及技術委員会のもとに存在し、国家実験研究院という財団法人によって運営されています。TASAは、宇宙探査、衛星の製造開発をはじめ、航空宇宙工学や情報科学の分野における研究など、幅広い宇宙関連事業を展開しています。基地は新竹市にあり、ここから台湾の宇宙事業は推進されています。

事業内容と技術開発

TASAが扱うプロジェクトには、地球観測衛星として知られる福爾摩沙衛星（FORMOSAT）シリーズや、さまざまな宇宙探査ミッションが含まれます。これに加えて、将来的な国家安全保障に寄与するために宇宙兵器に関する技術や、航空宇宙工学の基盤を構築することも目指しています。産学官の連携を重視しており、台湾太空産業発展協会を通じて企業と協力し、宇宙関連産業の発展にも寄与しています。

観測ロケット計画

台湾の観測ロケット計画は、地対空ミサイル「天弓2号」を基にしたロケットの開発に始まります。現在までに、合計10回の打ち上げが行われ、9回の成功を収めています。このロケットは約8メートルの長さで、約2トンの重量があります。今後、2018年までにさらに5回の打ち上げを予定しており、技術の向上を図っています。

SLV計画

台湾初の人工衛星打ち上げを目指すSLV（Satellite Launch Vehicle）計画は、超小型衛星を打ち上げるための特別なロケットの開発に取り組んでいます。このロケットは、約50kgの衛星を地上500kmから700kmの軌道に投入することが可能とされています。さらに、既存の観測ロケットを改良したものであり、高度な技術を駆使した設計がなされています。打ち上げの段階では、10回から15回の観測ロケットを運用した後、2018年を目途に台湾製の衛星を軌道に投入する計画が立てられています。

FORMOSAT衛星

TASAが開発したFORMOSATシリーズは、通信や地表観測、気象測定などを目的とした多様な衛星を含んでいます。

• - FORMOSAT-1は1999年に打ち上げられた通信および電離層探査用の衛星。
• - FORMOSAT-2は2004年に打ち上げられ、地表撮影を行う衛星です。
• - FORMOSAT-3/COSMICは、空気上層部でのGPS観測を目的にした6機の衛星から成るコンステレーションで、2006年にNASAの協力のもとで打ち上げられました。
• - FORMOSAT-7は、2019年に運用を開始し、気象観測を行います。

このように、TASAは鉄鋼を背景とした技術開発を進めていますが、その後の宇宙計画には格段の進展が求められるでしょう。特に小型衛星に焦点を当てた次のFORMOSAT-5の打ち上げは予定されていますが、運搬手段の選定については課題が残るとされています。

将来に向けての展望

台湾の宇宙計画第2期（2004年から2018年）は、宇宙関連技術の進展を図るために設定されています。ここでは、産業の振興や人的資源の開発に重点が置かれ、地元の企業との連携を強化しています。総じて、NSPOを国立の調査機関として制度的に位置付ける提案もあり、台湾の宇宙事業はさらなる発展を目指して進化し続けるでしょう。

参考文献と外部リソース

• - NSPO公式サイト
• - GlobalSecurityの記事
• - Encyclopedia Astronautica - Taiwan

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