名鉄資料館

名鉄資料館の紹介

名鉄資料館（めいてつしりょうかん）は、岐阜県可児市にあった名古屋鉄道（名鉄）に関連する企業博物館です。この資料館は1994年に名鉄の創業100周年を記念して、名鉄教育センターの敷地内に開館しました。さまざまな私鉄やバスに関する資料が展示されており、多くの訪問者に愛されてきました。しかし、2020年12月25日に閉館することとなりました。

概要

名鉄資料館は、開館以来約16年間でおよそ6万5千人の訪問者を迎え入れました。展示されていた内容は、名古屋鉄道自身だけでなく、その前身となる単独の私鉄や路線バスに関する資料を含み、鉄道ファンには貴重な情報源となっていました。残念ながら、老朽化が原因で閉館が決定されましたが、保存されていた資料は名鉄の倉庫で大切に管理されています。その一部は名鉄グランドホテルに貸し出され、客室内に展示されていることもあります。

館内の構成

館内は第1資料館と第2資料館に分かれており、それぞれ異なるテーマの展示があります。第1資料館には鉄軌道開業一覧や、文書、乗車券、沿線案内図、さらには被服に関する資料が整然と並べられています。特に、OBサロン兼特別展示場には7000系の特急専用車両の座席が使われた椅子があり、訪れた人々に鉄道の歴史を感じさせる工夫がされています。

第2資料館は主に車両紹介や土木、電気、駅、運転に関する機器類が展示されており、実際に運転可の鉄道模型もありました。また、映像室では鉄道にまつわる様々な映像素材が流れ、訪問者は視覚と聴覚で鉄道の魅力を楽しむことができました。

主な展示物

この資料館には貴重な展示物が数多くありましたが、実際の車両の展示は行われていませんでした。中でも特に目を引くのが、愛知馬車鉄道の敷設願や昭和天皇御召列車ダイヤなどの歴史的な資料です。1927年の演習視察で使用された貴賓車や、名岐鉄道沿線案内図など、名鉄の歴史を語る重要な文書が多く展示されていました。

他にも、名鉄時刻表や名飯線案内、愛北バスの案内にかかわる資料など、地域交通の歴史を知る上で欠かせないものが揃っていました。

アクセスと利用案内

名鉄資料館にアクセスするには、名鉄広見線の日本ライン今渡駅で下車し、徒歩で約20分かかります。開館時間は毎日10:00から17:00までですが、土曜日や日曜日、祝日、年末年始は休館となります。特別展示が行われる際には、予約なしでの入館が可能な場合もあります。

まとめ

名鉄資料館は、名古屋鉄道の歴史を深く知ることができる貴重な場所でしたが、残念ながら閉館してしまいました。資料館が持っていた膨大な情報と展示物は今も愛知県内の他の場所で見ることができるかもしれませんが、直接体験できる場がなくなったことは、多くの鉄道ファンにとって寂しい出来事です。

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